たった１つだけ願いが叶うのならば…。

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侑李side

たまたまだった。

外の空気が吸いたくて屋上の扉を開いた。




そして目の前の光景に目を見開いた。



…


そこにいたのは僕と同い年くらいの男の子。

スリッパを脱いでそろえて置いて。



それからフェンスの隙間の前に立った。



いかにも“今から自 殺します“という感じでどうしたら良いかわからずその場から動けなかった。



その子は空を見上げて動かない。


これなら止められるかもしれないと思ってゆっくり近づいた。

けどあと2メートルというところでその子はフェンスを越えて縁に出た。

そして下を覗き込んでいる。


手遅れになる前にと思って僕もフェンスの隙間から手を伸ばしその子の腕を思いきり引っ張った。


“とにかく助けなきゃ”そんな思いだったから強く引っ張り過ぎたみたい。

腕に怪我させちゃった。

宏太の所に行って手当てをしてもらった。

涼介のことはまだ名前しか知らないし動機がどうであれあんなことしてたなんて知られたら怒られると思ったから言わなかった。


…


部屋に戻っても涼介のことが離れない。そして決意した。涼介と友達になると。

早速翌朝に涼介の病室を探した。

僕は基本部屋を出ないし出るとすれば昨日みたいにこっそり屋上に行くとき。でもそれも極たまーに。

昨日聞いた名前だけを頼りに病室をめぐることにした。

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