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「あなたには言ってない」と2度も冷めた声と表情で言われてしまった私は困惑した。
もしかして私この子に何かした? いや何もしてないよね?
「あたしは今あなたの後ろにいる人達に話しかけてるのぉ」
『あっ、そうなの?』
「そうなのっ! だからさっさとあたしの前から消えてくれなぁい?」
邪魔なのよ、とまるでゴミを見るような目で私を見てくる花田さん。
普通に酷いと思う。てか初対面でそこまで言う? そんな目で人を見る? いやないわ。ないないない。
そう思っていると不意に後ろから影がさした。
振り返ると、悲鳴嶼さんは手を合わせて涙を流しており、他の皆は冷たい視線で花田さんを見下ろしていた。普通に怖い。
「派手に気に食わねえな。上官に向かってその態度はなんだあ?」
『そうだそうだー私は上官だぞー』
「キャッ、怒ってる天元もカッコイイっ♡」
「はあ?」
『無視された……』
ちょっとだけヘコむ。ちょっとだけ。
というかこの子凄い。怒る宇髄さんを怖がることなくカッコイイだなんて。しかも今“天元”って呼んでなかった?
宇髄さんは私より長く柱をやってる人だから名前を知っていてもおかしくはないけど、下の名前を呼ぶ一般隊士なんて初めて見た。
『あっ、もしかして宇髄さんの知り合い?』
「は? 知らねーよ、こんな地味な奴」
『いやこの子どう見ても地味じゃないよね。もうド派手の派手派手の派手派手すぎ子さんだよね』
「派手派手言いすぎだろ」
「君!!」
宇髄さんとアホなやり取りをしていると、煉獄さんが花田さんに向かっていきなりクソデカボイスを発した。
「名は確か、浜田といったか!!」
『花田だよ』
「うむ、そうか、原田!!」
『花田だよ』
わざとかな? 煉獄さんはわざと間違えているのかな?
それとも私の滑舌の問題?
「すまないが君の発言は品性の欠片も感じられない!!」
「やだもぉ杏寿郎ったら、あたしの気を引こうとしてそんな事言うのぉ??」
「……何故そうなるのかさっぱり分からない!!」
うん、私にもさっぱり分からないよ。
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こころ - す、すごいこんな腹立つ悪女初めて!!! (2月27日 22時) (レス) @page11 id: c43eafab12 (このIDを非表示/違反報告)
まったり団子 - エッこれめちゃくちゃ面白い・・・悪女ちゃんがちゃんと悪女ちゃんしてて、柱がそれにドン引いてる・・・読んでて楽しいイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ・・・失礼しました。これからも読ませてください! (2月18日 19時) (レス) id: f793216af5 (このIDを非表示/違反報告)
燎(プロフ) - うなぎポテトさん» 力強く褒めてもらえて歓喜のあまり手が震えております(笑)嬉しいコメントありがとうございます!多忙な者で更新遅すぎ人間ですが、無理せず頑張ります!! (2月15日 7時) (レス) @page9 id: 57e1f471a0 (このIDを非表示/違反報告)
うなぎポテト - めっちゃ面白くなる予感しかしないんですけど!?作者さん凄すぎません?口調も全然迷子になってないし、読んでるとその場面が想像できるというか……とりあえず凄い!!!!更新無理せず頑張ってください!!!! (2月13日 23時) (レス) @page8 id: 9030b78ea3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:稜 | 作成日時:2024年2月2日 9時