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「手合わせなら俺も混ぜろ! この宇髄天元様が派手に相手になってやる!」
『えっ』
手合わせに向かおうとしたその時、いきなり宇髄さんが私達に声をかけてきた。
まさかの手合わせ参加希望。すると今度は宇髄さんの発言に便乗するように煉獄さんが口を開いた。
「ならば俺も参加しよう! 柱同士で手合わせをする機会はそうそうないだろう!」
「だな! この際、時間ある奴は参加ってのはどうだ?」
「うむ、それはいいな!」
なぜか宇髄さんと煉獄さんが勝手に話を進めて盛り上がり始めた。
まあいいと思うけどね。良い鍛錬になるだろうし。
でも不死川さんがどう思うかだよね。最初に言い出したのはこの人だし。
「おいテメェら、勝手に決めんじゃねェ」
「む? 何か問題があるのか!」
「いや別にねぇけどよォ」
「ならいいじゃねぇか! 派手にやろうぜ!」
二人の熱量に圧倒されたのか、不死川さんは「へいへい」とまた適当な返事をすると「先に行くからなァ」と言い残して庭から去っていった。
それを見届けた宇髄さんは皆の方に顔を向けて口を開いた。
「他に誰か参加できるか?」
「私は遠慮しておきます。戻ってする事があるので」
『そっか……』
しのぶちゃんは参加できないらしい。
まあ蝶屋敷には患者さんがいるだろうから忙しいよね。
「俺はこれで失礼する」
「冨岡も何か用か?」
「………………」
「急用か?」
「……いや、だが」
「んじゃ、冨岡は参加な」
宇髄さんがそう言うと、いつも無表情な冨岡さんが若干眉間に皺を寄せた。
コミュ障で自己肯定感が低くて自分を卑下してしまう彼はきっと“俺なんて居ない方がいい”と思っているに違いない。
『冨岡さんも参加してくれるなんて嬉しいな!!』
「……嬉しいのか」
本当にそう思っているのかと疑うように言われてしまったが、本当にそう思っているから笑顔でうんうんと何度も頷いた。
そしたら冨岡さんは無言で私をじっと見た後、少し顔を逸らし「そうか」と呟いていた。ちょっと嬉しそう。
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こころ - す、すごいこんな腹立つ悪女初めて!!! (2月27日 22時) (レス) @page11 id: c43eafab12 (このIDを非表示/違反報告)
まったり団子 - エッこれめちゃくちゃ面白い・・・悪女ちゃんがちゃんと悪女ちゃんしてて、柱がそれにドン引いてる・・・読んでて楽しいイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ・・・失礼しました。これからも読ませてください! (2月18日 19時) (レス) id: f793216af5 (このIDを非表示/違反報告)
燎(プロフ) - うなぎポテトさん» 力強く褒めてもらえて歓喜のあまり手が震えております(笑)嬉しいコメントありがとうございます!多忙な者で更新遅すぎ人間ですが、無理せず頑張ります!! (2月15日 7時) (レス) @page9 id: 57e1f471a0 (このIDを非表示/違反報告)
うなぎポテト - めっちゃ面白くなる予感しかしないんですけど!?作者さん凄すぎません?口調も全然迷子になってないし、読んでるとその場面が想像できるというか……とりあえず凄い!!!!更新無理せず頑張ってください!!!! (2月13日 23時) (レス) @page8 id: 9030b78ea3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:稜 | 作成日時:2024年2月2日 9時