M i l k × M ! l k （ 赤 ）

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涼「ほら、俺 傘持ってないし」

貴「…喧嘩うってるの？」

涼「はあ？なんで」

貴「さっき見てたんじゃないの？」




さっき？ってキョトン。かわいい。

じゃなくて。




涼「あー、ゆうてぃー？」

貴「ゆうてぃー、？」

涼「なーかーじーまーゆーうーとー」

貴「…仲良いの？」

涼「まあ…そこそこ？」




中島先輩と山田くん？顔面偏差値えげつないな。

仲良いんだ、知らなかった。

仕方ないから折りたたみ傘を開いて山田くんを入れる。

狭いなあ、って時々山田くんと肩がぶつかるたびに千秋と先輩の様子を思い出してまた泣きそうになる。

…どんだけ弱いの、私。




涼「告白されて困ってた１年の子を助けたー、ってあれAさんでしょ？」

貴「なんで、それ、」

涼「ゆうてぃーから聞いたんだよ、１年の可愛いって有名な子、ってAさんじゃねえの？」

貴「可愛いかは知らないけど、そうだよ」

涼「…Aさんは可愛いよ」

貴「え」

涼「男慣れしてんのかと思ったらそうでもなさそうだし」

貴「…慣れてないよ、」

涼「だろうね、心臓バックバクだったもん」

貴「え、！」




やっぱり伝わってたの？

恥ずかしすぎて死にたい。




貴「や、まだくんは」

涼「ん？」

貴「誰にでもこんなこと、するの？」

涼「…それ聞く？」

貴「聞く」

涼「しねえよ、今回は仕方ないでしょ？」

貴「…仕方ないの？」

涼「仕方ないの、この話終わり！」

貴「ええ…？」




意味分かんない。

山田くんは色んな話をしてくれて、とっても楽しくて。

それに、なんで泣いたのか、とか何も聞かないでくれた。気付いてるはずなのに。




貴「…ねえ山田くん」

涼「ん？どした？」

貴「ちょっと時間あったりしませんか」

涼「おお…いいけど」




どしたの？って顔してる山田くんとコーヒーショップに入って、向き合って座った。

ラテをフーフーしてる。めちゃくちゃ可愛い。

優しいこの人になら、私のどうでもいい話も、聞いてもらえる気がした。

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