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…分かってるの。分かってるけど、怖いんだよ。




大「怖がってたら何にも始まらないでしょ?」

貴「…」

大「山田とこのまんまで、いいの?」

貴「やだよ…」




自分の声の弱々しさに驚いた。

…やだよ。

辛い時、めいっぱい甘やかしてくれる山田くんがいなきゃ。

私が喜んだら、自分のことみたいに笑ってくれる山田くんがいなきゃ。




大「大丈夫、Aちゃんの話なら絶対ちゃんと聞くから、あいつ」

貴「…そうかな、」

大「自信持ってって。山田、ほんとにAちゃんのこと好きだし」

貴「…」

大「ねえやばい大ちゃん俺一目惚れしたかもしんないって言われたのまじでだいぶ前だからね」

貴「…照れるからもういいです」




ちゃんと言わなきゃ。

山田くんが私に言ってくれたみたいに、素直に伝えなきゃ。

私が決心したのを見計らうみたいにチャイムが鳴って、大ちゃんが微笑んで立ち上がった。




大「大丈夫、いってらっしゃい!」

貴「…ありがとう!」




大ちゃんにお礼を言って駆け出した。

早く、早く、山田くんに言いたいの。




貴「…っわ!?」

伊「…ってぇ、ってまたお前か」

貴「山田くん知らない!?」

伊「… " いつものとこ "」

貴「っありがとう!」




こんなに走ったのはいつぶりだろう。

ただただ山田くんに会いたくて、何も考えずにひたすら足を動かす。

廊下を全力疾走する私を不思議そうな目でみんな見てるけど、そんなのも気にならないくらいに必死だった。




貴「っ山田くん!」




ばん!って開けた山田くんの " いつものとこ " 。

…物音がしない。もしかして、違った?

あんなに走ったのに。恥ずかしくなりながらそっと部屋に入ると、




貴「…いた」




用具室なのに山田くんの溜まり場と化してる部屋に、山田くんが持ち込んだのかな。

毛布にくるまって、寝てる山田くんがいた。




貴「…山田くん」

涼「…」

貴「…寝てるなら起こさない方がいいか」




ぽつり、独り言を呟いて 山田くんが起きるまで私もここに居させてもらうことにした。

そのへんに置いてある椅子に座ってみたけど、なんだか山田くんの寝顔を一分一秒でも見逃すのはもったいない気がして。




貴「…きれーだなあ、」




きらきら、山田くんの髪が太陽に照らされて茶色に見える。

目にかかる前髪も、伏せた瞼に映るまつ毛の影も、山田くんは全部が綺麗。

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みはる(プロフ) - 私は今日誕生日です。 (2019年4月12日 18時) (レス) id: f9d8424a7b (このIDを非表示/違反報告)
未央 - すごく面白いです!続き気になります!更新待ってます! (2018年8月16日 18時) (レス) id: 71bdc0414f (このIDを非表示/違反報告)
里奈(プロフ) - すごい読んでて面白くてもっと続きが読みたいって思ってます!更新お願いしたいです!! (2018年6月28日 20時) (レス) id: c7d28386d2 (このIDを非表示/違反報告)
よん 。 - 続編希望です!凄い面白かったです (2018年5月17日 12時) (レス) id: 67b3c6d329 (このIDを非表示/違反報告)
みるくちやん .。(プロフ) - めちゃんこキュンキュンしてます (*´`)更新待ってるので大変だと思いますが頑張ってください! (2018年5月14日 15時) (レス) id: 0587ad5984 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぽむ | 作成日時:2018年5月9日 0時

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