M i l k × M ! l k （ 赤 ）

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伊：ちゃんと帰った？

貴：家の前まで一緒に来てくれたじゃん(笑)

伊：いちお聞いただけだわ

貴：伊野尾くんは？大丈夫？

伊：うん、帰った

伊：ねむい

貴：ありがとね

伊：なにが？

伊：眠いし寝るわ

伊：おやすみ




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絵文字もないし、だるそうに打ってるんだろうなあ、ってかんじのライン。

結局 家の前まで送ってくれて、なんだかんだ優しい人なんだよなあ、

なんて思いながらあくびを１つ。

…今日は、つかれた。

千秋と話そうとして泣いちゃって、山田くんが助けてくれて、やっと千秋に聞きたいことが聞けて。

ルンルンで帰ってたら山田くんとクラスの子を見ちゃって、伊野尾くんが助けてくれた。

…なんかもう、濃すぎて訳わかんない１日。

明日、山田くんとちゃんと話さなきゃ。

とりあえず寝よう。




疲れからか、あっという間に寝てしまった私は、

山田くんから何度も着信があったことに、全く気づかなかった。









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貴「いってきまーす、っうわ！？」




いつものように家を出たら、家の前に立ってる伊野尾くん。

びっくりして声を上げたら、不快そうに顔を歪ます。




伊「うるせえ…」

貴「え？どしたの？」

伊「気分、ほら行くぞ」




スタスタ歩き出した伊野尾くんの背中を慌てて追いかける。

…なんで迎えに来たんだろう、って思ったけど、伊野尾くんの行動の真意なんて考えるだけ無駄な気がしてやめた。




伊「どうすんの今日？」

貴「え？」

伊「え？知らねえの？」

貴「…何を？」




相変わらず脈略がない伊野尾くんとの会話。

…今日？何かあったっけ。




貴「あ、横山先生の誕生日だ」

伊「いや知らねえし」

貴「え？違うの？」

伊「…まじで知らねえの？」

貴「うん…？」




伊野尾くんがため息。

…え、ほんとになに。




貴「…伊野尾くんの誕生日？」

伊「んなわけねえだろアホか」




昨日に増して口が悪くなってる。大変だ。

…そんなことより、いつもは女子どころか男子とも話すことがない伊野尾くんが私と登校してるからものすごい注目されてる。

伊野尾くんは平然と歩いてるけど、私はどんな顔したらいいんだ。




伊「…A」

貴「ナンデスカ」

伊「顔やばいぞ」




…伊野尾くんのせいだよ！！！！！

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