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…山田くん?なんで?

見ちゃだめ、って心では思ってるのに身体が動かなくて

山田くんがその子の頭を笑いながら撫でたのを見て、私の何かが崩れ落ちた気がした。




私知ってる。あの子、鈍感な私でも分かるくらい山田くんのこと好きだもん。

山田くん、あんなに私のこと好きだ、って言ったくせに。

振り向かせる、って言ったくせに。

女の子には誰にでもあんなことするのかな、




…山田くんのこと好きでもないくせに、自分の独占欲に呆れてしまった。

山田くん、やっぱりふざけて私に声かけてきたのかもしれない。きっとそうだ。

あんなに優しい顔して笑って、あんなに優しく頭撫でて、きっとあの子が山田くんの本命なんだ。




胸がぎゅう、ってなって、苦しくて。

中島先輩のときには感じなかった痛み。

山田くんがくれた優しさも、私に見せてくれた色んな顔も、全部全然嘘だった?

ぽろん、って涙が零れて止まらなくなったけど拭う気力もなくて。

ぼたぼた落ちる涙もそのままに歩いて、また誰かとぶつかってしまった。




「…ってぇ、ってまたあんたかよ」

貴「あ…」




忠告の人。呆れた顔をしたと思ったら、ギョッと目を見開いてる。

…そりゃそうか、きっと今の私は過去最高にひどい顔。




「…俺の忠告無視したわけね、」

貴「…」

「…はぁ、時間ある?」




すぐ呆れた顔に戻って、相変わらずめんどくさそうに話す。溜め息までつかれた、

こくん、って頷いたら こっち、って腕を引っ張られた。

…昼休み、山田くんもこうやって腕引っ張ってくれたなあ、なんて思い出してまた泣いてる重い女。

…はあ、私めんどくさい。




「ひかるいるー?」

「おー!いるよー!」

「部屋借りる!」




…何屋さん?

ズンズン進むこの人にとりあえず着いて行ったら辿り着いた場所。

いかにも関係者しか入れなさそうな場所に引っ張るから、思わず躊躇する。




「…ここ、従兄弟んちだから大丈夫」

貴「…なるほど…?」

「ん、とりあえず靴脱いで、入って」




言われるがままに入って、なんか部屋に通された。




「そのへん座って」

貴「…」

「…とりあえず泣いた方がラクか、これ使いな」




ぽい、って箱ティッシュを投げてどっか行っちゃった。

名前も分からない、隣のクラスの人。

よく分かんないけど、突然優しい人。

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みはる(プロフ) - 私は今日誕生日です。 (2019年4月12日 18時) (レス) id: f9d8424a7b (このIDを非表示/違反報告)
未央 - すごく面白いです!続き気になります!更新待ってます! (2018年8月16日 18時) (レス) id: 71bdc0414f (このIDを非表示/違反報告)
里奈(プロフ) - すごい読んでて面白くてもっと続きが読みたいって思ってます!更新お願いしたいです!! (2018年6月28日 20時) (レス) id: c7d28386d2 (このIDを非表示/違反報告)
よん 。 - 続編希望です!凄い面白かったです (2018年5月17日 12時) (レス) id: 67b3c6d329 (このIDを非表示/違反報告)
みるくちやん .。(プロフ) - めちゃんこキュンキュンしてます (*´`)更新待ってるので大変だと思いますが頑張ってください! (2018年5月14日 15時) (レス) id: 0587ad5984 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぽむ | 作成日時:2018年5月9日 0時

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