；１ ページ1
##
「あのさ」
目の前にいるのは、顔も知らない男の子。
…武山くん、って呼ばれてたっけ？
「Aさんのこと、初めて見たときから気になってて」
「…」
「付き合って、くれませんか」
「…ごめんなさい、あの、」
「好きな人でもいるんですか」
「いません、けど」
「じゃあとりあえず俺と、」
ごく稀にいる、謎にしつこいタイプの人だ。
…いやだ、って言ってるのに。
「いや、あの、ごめんなさい」
「なんでっすか？好きな人いないんでしょ？」
「いや、でも、」
「なにしてんの？」
背後から突然聞こえた声に、ギョッとしたようにちょっと後ずさる武山くん(仮)。
…この声、聞き覚えある。
体育館裏が暗いせいで顔はよく見えないけど、スラっとした長身のシルエット。
「さっきからその子嫌がってんじゃん」
「でも、」
「好きな人はいないけど、この子が君を好きになることはないってことでしょ？」
「…っ」
「ほら、振られたんならせめて印象悪くなんないようにしなきゃ」
先輩の言葉に、悔しそうにくちびるを噛んでどこかに行ってしまった。
…い、いけめんの救世主…
「大丈夫？」
「あ…大丈夫です、ちょっと久しぶりだったんでびっくりしちゃって」
「初めてじゃないんだ？(笑)」
ふふ、ってちょっとおかしそうに笑う。爽やか。
「俺もたまにああいう子に告白されることあるからさー、」
「あー…」
「あ、俺のこと分かる？」
「中島裕翔さん、ですよね」
「お、せいかーい」
「有名人ですもん」
「そうなの？(笑) 君はあの子だよね？えーっと…AAちゃん」
「…え！なんで知ってるんですか」
「有名人だもん(笑)」
いひ、って笑ってる。
なんか、この人がモテる訳が分かる気がする。
初対面なのに、こんなフレンドリーで楽しい人、なかなかいないだろうし、しかもイケメンってオプションつき。
「あ、そうだこれ飲める？」
「飲めますけど…」
「じゃああげる！俺もう一本あるから」
「いいんですか？」
「いいよ、当たったやつだからタダだし」
「ありがとうございます、」
プシュ、ってペットボトルを開けて飲んだら、一気に半分くらい飲んじゃって、喉乾いてたんだなあ、ってことに気づいた。
「あ、ごめんね引き留めちゃって、お昼ご飯食べなきゃでしょ？」
「あ、そうですね」
「まあ、助けれてよかったです」
ヒーローみたいな、素敵な先輩。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 988人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「Hey!Say!JUMP」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みはる(プロフ) - 私は今日誕生日です。 (2019年4月12日 18時) (
レス) id: f9d8424a7b (このIDを非表示/違反報告)
未央 - すごく面白いです！続き気になります！更新待ってます！ (2018年8月16日 18時) (レス) id: 71bdc0414f (このIDを非表示/違反報告)
里奈(プロフ) - すごい読んでて面白くてもっと続きが読みたいって思ってます！更新お願いしたいです！！ (2018年6月28日 20時) (レス) id: c7d28386d2 (このIDを非表示/違反報告)
よん 。 - 続編希望です！凄い面白かったです (2018年5月17日 12時) (レス) id: 67b3c6d329 (このIDを非表示/違反報告)
みるくちやん .。(プロフ) - めちゃんこキュンキュンしてます (*´`)更新待ってるので大変だと思いますが頑張ってください！ (2018年5月14日 15時) (レス) id: 0587ad5984 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぽむ
| 作成日時：2018年5月9日 0時
