人間恐怖症の私はなぜか有名な歌い手グループのメンバーです【stxxx】

メンバー。 ページ21

ころんside

最近まひるちゃんがいない。

放送だって、レコーディングだって、打ち合わせだっていない。

なーくんからは

な「体調不良だって」

なんて、聞いているが僕は本当は違うんじゃないかなぁって思う。

まひるちゃんは、色々難しい事情を抱えて生きてきた。

ストレスだって、不安だって、たくさんあったんだろうなって、そんなのに比べたら僕の悩みなんて、ちっぽけに感じてしまう。

家が1番近いのに、踏み込めない。
まるで、そこに見えない壁があるかのように。

目の前に扉があっても、インターホンがあっても、それ以上先に進む事はできなかった。

僕が、弱虫で、泣き虫だから。
臆病だから、できないのかな。

ジェルくんからも、いろんな事を聞いた。

まひるちゃんは、今とても辛いだと思う。
守ってあげたいなぁ……。

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さとみside

まひるが来なくなってから何日たったのか。
もう、良くわからない。

俺は、あの元気な声を、明るい声を聴きたかった。
早く、慣れて欲しいなぁ…なんて淡い期待も持っていた。

顔だって、そこら辺の女の子より可愛い方だと思うし、普通にできてたら良かったのに、なんて勝手な事を思ってしまう。

彼女は、突然やってきて突然いなくなった。

リスナーさんには、そんな事バレていない。
歌みただって、絶えず定期的に上がっている。

撮り溜め、なのか……

陰で俺たちを支えてくれていた、大事な仲間なのに、俺は、こんな所で留まっていていいのだろうか。

さ「なぁ、ひなぁ…俺はどうしたらいいかなぁ」

なーんて、きちんと返事が返ってくるなんて分かんないのに、聞いてしまう。

なぁ、どうしたら良いかなぁ。

ひな「にゃーん！」

ひなは、そう一声鳴いたかと思えば、作業部屋に歩いて行った。

さ「俺に、電話しろって？」
ひな「みゃん！」
さ「賢いなぁひなはぁ！よーしよしよし」

俺は、ひなのおかげでまた一歩進めそうだな。
ありがとう。

ﾌﾟﾙﾙﾙﾙ

でも、その日まひるが電話に出ることはなかった。




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__メンバーが家に来るまで、残り２日__

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