【男主】涙でにじむ約束は Ⅴ (ページ7)

今日:58 hit、昨日:24 hit、合計:208,572 hit

本当はページ7

向井side

今日の阿部ちゃん、どうしたんやろう。

具合の悪くなったAくんにさらっと対処したのは
確かにすごかったと思う。

けどその後がそっけないっていうか……。

Aくんの方を振り返るとまだ腕で目を覆ってた。

そばにおらんでいいんかな……。

宮舘「冷たいって思う？」

向井「え？」

耳元でこそっと言われたダテの言葉にドキッとした。

向井「そ、そんなこと……」

宮舘「顔に出てる」

とっさに顔を押さえると、ダテにふっと笑われた。

宮舘「見て」

向井「…………！」

ダテが指さしたのは、阿部ちゃんやった。

不安気で、心配そうな顔をして、
Aくんをじっと見ていた。

宮舘「本当はね、阿部だって
そばについていたいんだと思うよ。
けど、今のAには１人になる時間も必要だから。
誰かの優しさが、逆にAが自分自身を
責めちゃうからね」

向井「Aくんは何も悪くないやん」

宮舘「うん、それはもちろんそうだよ。
けどどうしてもAはそうしちゃうから」

そう言ったダテは少し寂しそうやった。