【男主】涙でにじむ約束は Ⅴ (ページ26)

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責めないでページ26

目黒side

Aくんの言った意味が分からなかった。

目黒「……甘かった？」

A「いつか世間に知られるなんて
考えれば分かることだった。
そうなる前にちゃんと伝えてれば
こんなに騒ぎになることも、
みんなが叩かれることもなかったんだ。

そんな当たり前のことから目を逸らして
現実を見ることから逃げてた結果がこれだよ」

目黒「それは違う！」

自分のことを責めるみたいに話し続けるAくんを
見ていられなかった。

目黒「Aくんは頑張ったんじゃん！
もっとファンを笑顔にするためにっ……
俺たちと一緒に進んでいくためにっ、
ずっとずっと……！」

A「それが間違ってたんだよ」

目黒「えっ……」

A「最初から間違えてたんだ。
長く続けられないって分かった時点で引いてたら
良かったんだよ。

みんなの足引っ張るだけ引っ張って、
挙げ句の果てにバッシングまで受けさせてさ」

違う。

足を引っ張られたなんて思ったこと一度もない。

ラウ「間違ってるのはAくんだよ！！」

ラウールの悲痛に満ちた声が部屋に響いた。

ラウ「足を引っ張られたなんて思ったことない！
一緒にステージに立ったことだって、
みんなでちゃんと話して決めたじゃん！
最初から全部間違ってたって言うんなら
今までみたファンの笑顔はなんだったの！？」

ラウールの頬に大粒の涙が伝っていた。