【男主】涙でにじむ約束は Ⅳ (ページ7)

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決断ページ7

阿部side

佐久間「今日の公演、Aは出せない……
ってか出さない。
みんなにもそう伝えることしたから」

状況もちゃんと把握できないうちに、
佐久間がポケットからスマホを取り出した。

A「だから待てって言ってっ……
つっ！」

阿部「A！！」

佐久間の動きを止めようとして
一歩踏み出したAの身体が傾いた。

阿部「えっ……」

Aの肩に触れた瞬間に感じたのは、
服越しでもはっきりと伝わってくる熱さ。

昨日から熱は下がらなかったんだ。

むしろかなり上がってる気がする。

40℃近くあっても、おかしくない熱さだった。

佐久間「立ってるのさえままらないのに
あんな激しい動きができないのは
Aも分かってるんじゃないの？」

突き放すようにそう言って、
佐久間がスマホに何かを打ち込んだ。

それからすぐに、
部屋からスマホの通知音が２つ聞こえてきた。

俺とAのスマホが同時に鳴ったってことは、
多分グループメッセージに何かを送ったんだろう。

ほんの少ししてから、
メッセージを見たメンバーが
俺らの部屋に集まってきた。

深澤「A、大丈夫か？」

A「大丈夫なんだって。
今日で最後なんだし、乗り切れば
明日からゆっくりできるし」

渡辺「でもおまえ熱結構あるんじゃねぇの？」

阿部「まだ測ってないけど、相当熱いよ」

向井「うわっ、ほんまや……」

康二がAの額に手を当てて
驚きを隠せていなかった。

A「だから大丈夫だって言」

佐久間「いい加減にしろ！！」

佐久間がAの言葉を遮った。