【男主】涙でにじむ約束は Ⅳ (ページ23)

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一緒にページ23

渡辺side

A「うっそ！それ絶対俺のことじゃん！！」

チビたちに聞いた話をAにすると
びっくりした声を上げた。

A「しかもデビューできなかった心残りでって
シャレになんねぇし！」

A自身はそんなウワサは全く知らなかったみたいで
頭を抱えていた。

渡辺「１人でやるからそんなウワサが立つんだよ」

A「え？」

渡辺「俺も混ぜてよ」

一緒に頑張りたい。

そうまっすぐ伝えればいいのに、
俺はまだ素直になりきれなかった。

渡辺「２人だったら、そんなウワサも
たたないだろ」

A「それはそうかもしれないけど……。
付き合わせちゃっていいの？」

渡辺「俺ももっと練習したいと思ってたし。
それに１人だと気付けないこともあるだろ」

A「すごい助かる。ありがとう」

渡辺「別にAの為じゃないから」

A「ふっ、翔太ってツンデレなんだね」

渡辺「はぁ？」

A「うそうそ、冗談だよ。
でも今日は遅いからもう帰ろう。
次からは２人で、ね？」

それから俺たちは内緒のレッスンを
２人でするようになった。

俺は、Aとの空間が好きだった。

硬すぎず、緩すぎず、
近すぎず、遠すぎず。

その距離感は、きっとAが
作り出してくれていたんだと思う。

もっと一緒に頑張りたい。

Aとなら、一緒に頂点にのぼれるような気がした。