原石 ページ7
Aside
次の日、無事に……とはいえないけど
とりあえず退院が決まった。
午後からはメンバーだけのダンスレッスンが
入っていて、それに向かうことにした。
途中立ち寄った事務所内のトイレの
鏡に映った自分の顔。
頬に青いアザができていた。
ふっかは大丈夫だったのかな……。
感情に任せて、やり返してしまった。
ふっかが怒るのは当然のことだし
殴られてしまっても仕方のないことを
言ってしまった自覚はあった。
けど、俺が手を出す理由はない。
あんなの、ただの逆ギレだった。
謝らなきゃ。
そんなことを考えながら、
トイレから出たときだった。
A「えっ」
田中「お！」
ジェシー「お疲れさまです！」
そこにいたのは樹とジェシーだった。
事務所内とはいえ、すごいタイミングだな。
A「お疲れ様、元気？」
田中「俺らは元気ですけど、Aくん
顔、どうしたんすか？」
ドキッとした。
まさかふっかにやられたなんて
言えるわけもなかった。
A「……ドアでぶつけた」
ジェシー「顔を？」
さすがに無理があったみたいで
２人が全く納得のいっていない表情をしていた。
田中「それ、絶対殴られてますよね？」
A「……いや？」
田中「メンバーは知ってるんですか？」
知ってるっちゃ知ってるけど……。
黙ってる俺の様子を見て、
ジェシーは俺がまだメンバーに言っていないって
勝手に解釈したらしい。
ジェシー「行きましょう、これ、
事件ですよ、事件」
A「え？」
田中「さっきレッスン室に向かうSnowMan
見たからちゃんとどうするか
相談した方がいいって！」
A「いや、大したこと……！」
ジェシー「大したことありますから！」
A「え、ちょ」
ぜんっぜん話聞かねぇじゃんこいつら！
もはや強制的にメンバーのところへ
連行された。
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作者名：くらげ
| 作成日時：2021年12月4日 19時
