【男主】涙でにじむ約束は Ⅲ (ページ6)

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痛む頬ページ6

Aside

先生が悲しげな顔をしているのは、
きっと俺の言葉のせいだ。

謝らなきゃ、

そう思ったとき、先生のPHSが鳴った。

立花「はい……はい、分かった、すぐ行く」

誰かと話を終えた先生が、
PHSを胸ポケットにしまった。

立花「すみません、病棟から呼び出しが」

A「いえ、こちらこそお騒がせして
本当にすみませんでした」

立花「偉そうなことを言ってすみませんでした。
今日はゆっくり休んでください。

あ、あと、娘とはいえ雪村さんが入院してるなんて
話は絶対にしませんのでご安心ください」

A「ありがとうございます」

立花「では、失礼します」

さっきまでの顔が嘘みたいに、
先生はまっすぐ前を向いて歩いて行った。

いつのまにか日は落ちて、
冷えた風が吹いてきた。

帰ろう。

これからのことも、
メンバーとのことも、
ちゃんと向き合おう。

今の俺にできるのは、それくらいしか
ないんだから。

これ以上、みんなの心を痛めないために、
それから迷惑をかけないために、
俺ができる選択は、ただ一つしか残されていない。

ふと触れた頬が、鈍く痛んだ。