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近づきたい ページ45
向井side
A「ようやく落ち着いたみたいだね」
向井「ごめんなさい、
みっともないとこ見せて……」
明日がオフで良かった。
そうじゃなかったらパンパンに腫れた目で
仕事をする羽目になってたとこやった。
A「そんなことないよ。
思い詰めたときはぜーんぶぶちまけて
いっぱい美味しいもの食べて
ゆっくり寝るのが一番だって」
向井「Aくんもそんなときあるんですか？」
A「そりゃねぇ。俺だって人間だもん」
向井「そのときは俺が話聞きますから！」
A「えぇ〜俺より康二の方が泣きそうだから
やだ」
向井「ちょっと！！
そこはありがとうでいいじゃないですか！！」
A「うそうそ冗談。そのときはよろしく！」
Aくんは俺の髪をくしゃっと撫でて
そう言ってくれた。
そのあと２人で鍋を食べて、
お酒も飲んで、
おまけにお風呂まで入らせてもらった。
夜も遅くなってそろそろ寝ようかってなったとき
ベッドを使うように言われたけど、
さすがに申し訳なさすぎて、
リビングのソファーを借りて寝ることにした。
１人になった部屋で思った。
Aくんみたいな人になりたいって。
康二は康二のままでいいって言ってくれたけど
Aくんに近づきたい。
優しくて、あったかくて、強くて、
悩んでいるひとの心の荷物を溶かしてくれるような。
そんなことを考えながら、
俺は眠りについた。
俺がAくんの家に来た、
そもそもの理由も忘れて──
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作者名：くらげ
| 作成日時：2021年12月4日 19時
