【男主】涙でにじむ約束は Ⅲ (ページ35)

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理由ページ35

佐久間side

ずっと疑問だった。

Aが舞台に立たなくても、
俺らのサポートをしたいなんて言った理由が。

佐久間「だってさ、今までずっとやってきた舞台を
降板させられるだけでも辛いのに
それをただ見てるなんて俺だったら
絶対に嫌だもん。

そんな苦しい選択した理由ってなんなの？」

A「んー、そんな深い考えないけど……」

ほんの少しの間、Aは上を向いて
何かを考えているみたいだった。

A「ただ単純に自分にできることを
したかったからかな。
外から見ていて気付くこともあるだろうし」

佐久間「……そっか」

どんなときでもグループのことを
１番に考えてくれるAは
こんな状況でも何も変わっていなかった。

本当にすごいよ、Aは。

A「あ、逆に迷惑だったらもちろん
引こうと思ってたよ？
それ言う前にみんなが１０人じゃないと
やらないなんて言ってくれたから
伝えるタイミングなかっただけで」

佐久間「迷惑なわけないじゃん」

A「なら良かった」

Aが安心したように微笑んだ。

岩本「そろそろ始めようか」

照が休憩終了の声をあげた。

ラウ「はーい」

向井「よしっ、頑張ろ！」

みんなが立ち上がっていくのを見て
俺も立とうと思ったときだった。

A「あと実はもうひとつだけ理由があって」

ジャージを整えながらAが言ったのは
意外な言葉だった。