【男主】涙でにじむ約束は Ⅲ (ページ22)

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宣告ページ22

Aside

指定された会議室に向かうと、
扉のガラス越しに滝沢くんの姿が見えた。

A「失礼します」

滝沢「急に悪かったな」

A「いえ、大丈夫です。
俺もお会いして話したいことがあったんで」

滝沢「まぁ、座りな」

滝沢くんの目の前の席に座ると
俺のことをじっと見ている滝沢くんと
目があった。

滝沢「……しばらくみないうちに
かなり痩せたな？」

A「まぁ……それなりに」

最近は全快とはいえないけど、
薬が合っているからか、日常生活は
問題なく送れていた。

ただ、一時期絶不調だったときに
減った体重は、まだ戻りきってはいなかった。

A「あの、マネージャーさんから
聞いてるかもしれないんですけど……」

滝沢「言わなくていい」

俺の言葉を遮って、滝沢くんは言った。

滝沢「全部聞いてる。
悪いな、何も力になれなくて」

A「そんな……。
滝沢くんが謝ることなんて何一つないですよ」

滝沢「謝らなきゃいけないのは
それだけじゃない」

A「え……？」

謝らなきゃいけないってなんだ。

滝沢「単刀直入に言う。
今年の滝沢歌舞伎、Aは降りろ」

時間が、止まったような気がした。