目覚め ページ36
Aside
A「つっ……」
目を開けると見えてきた白い色。
アルコールの匂いが鼻をついた。
マネ「雪村さん！ 分かりますか！？」
マネージャーさんが視界に入ってきた。
A「なんで……」
体を起こそうとしたとき、
マネージャーさんが俺の肩を押さえた。
マネ「動かないでください、
今点滴をしてもらってるところなんで」
そう言われてみると腕に違和感があった。
そこから管が伸びていた。
マネ「覚えてますか？ 家の前で倒れたんですよ」
A「倒れた……あぁ」
耐えられないくらいの痛みを思い出した。
あれから気を失ったのか。
A「撮影は……？」
マネ「それどころじゃないでしょ……」
呆れたようにマネージャーさんが
小さく呟いた。
A「すみません、ご迷惑おかけして」
マネージャーさんが首を横に振った。
マネ「……なにも気づきませんでした」
A「……！」
マネ「緊急事態だったので、
雪村さんの今の状況について
聞かせてもらいました」
A「……どこまで？」
マネ「っ……」
マネージャーさんは、答える代わりに
ぎゅっと唇を噛み締めた。
あぁ、全部知ったんだ。
マネ「メンバーのみなさんは、
ご存知なんですか？」
A「目黒は知ってます」
マネ「え？」
そりゃおかしいと思うよな。
なんでめめだけなんだって。
A「目黒と二人の仕事のときに
ぶっ倒れて……。
伝えざるをえなかったって感じです」
マネ「そう……ですか……」
沈黙が流れた。
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作者名：くらげ
| 作成日時：2021年10月17日 6時
