【男主】涙でにじむ約束は Ⅱ (ページ30)

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覚悟ページ30

Aside

呼吸がかなり乱れるほど
めめは俺の胸の中で泣いていた。

こんな思いをさせてしまっていることが
言葉じゃ言い表せないくらいに
申し訳なかった。

それなのに、なぜかほんの少し救われた気がした。

俺が、いなくなる。

そのことでここまで感情を表してくれるなんて。

自分の代わりに、負の感情を全部
吐き出してくれているみたいだった。

自分なんていなくなっても、
もしかしたら何も変わらないんじゃないかって。

ほんの少しでも考えた自分が
馬鹿らしく思えた。

目黒「ごめん……さすがに、
取り乱しすぎた……」

めめが鼻をすすりながら、顔をあげた。

A「少しは落ちついた？」

目黒「……うん」

A「ごめんな、苦しい思いさせて」

めめは何も言わずに首を横に振った。

A「俺、明日にはみんなにちゃんと話す」

これ以上黙ってろなんて、
めめに言えるはずもなかった。

明日はYouTubeの撮影。

それから時間をもらおうって決めた。

今日が、ただ果てしない未来だけを
信じるみんなと今まで通りに過ごせる、
最後の日だ。

A「戻れそう？」

目黒「大丈夫、やる」

A「そっか」

めめの目は赤くなっていた。

まだ胸の中は苦しいままなはずなのに
それでも一緒に戻ることを選んでくれた。

きっと、俺の今の気持ちを
言わなくても汲み取ってくれたから。