自分に厳しい人だから ページ2
向井side
まだ俺が関西Jr.やった頃、
滝沢歌舞伎に出ることになった。
なかなかにハードで、
なんとかついていくので精一杯やった。
もちろんそれは俺だけじゃなくて
一緒に出てた丈とかすえたちも同じで。
向井「……今のとこ、わかった？」
藤原「ヤバい、ついていかれへん」
末澤「今聞ける雰囲気でもないよな……」
みたいな会話もしょっちゅうやった。
想像以上の大変さの中
関西のグループでお互いなんとか
フォローしあってたときやった。
A「お疲れ様。なんか困ってる？」
すっと俺らのグループに入ってきたのは
Aくんやった。
向井「お疲れ様です！」
今まで挨拶ぐらいしかしたことないのに
めちゃくちゃ自然に話しかけてくれた。
A「みんなそろって難しい顔してるけど
大丈夫？」
向井「ここの振りが難しくて……」
A「あぁ、そこ難しいよね。
俺も最初全然覚えられなくてさ」
思い切って相談してみると、
細かいとこまで丁寧に教えてくれた。
末澤「ありがとうございます、
めっちゃ分かりやすかったです！」
A「本当？ なら良かったー」
そう言って、本当に嬉しそうにAくんは
笑ってた。
カッコいいだけじゃなくて、
ダンスも歌もめちゃくちゃうまい人。
そんなイメージが強すぎて
勝手に近付き難い人やって決めつけてた。
けど、そんなイメージはこの一瞬で消え去った。
岩本「Aー！ そろそろ始めるぞー」
A「りょうかーい！」
え、休憩中やったん？
それやのに、俺らのこと気にしてくれたんや。
A「じゃ、俺戻るね」
向井「ありがとうございました！」
A「いいえー」
ふわっと笑って、照兄たちのところに戻ろうとしたAくんが振り返った。
A「大変やと思うけど、
無理したらアカンでー？」
下手くそな関西弁でそう言ってくれた。
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作者名：くらげ
| 作成日時：2021年10月17日 6時
