【男主】涙でにじむ約束は (ページ33)

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恐怖ページ33

Aside

A「はぁっ、はぁっ、っ……」

割れそうに痛む頭を抱えて
うずくまるしかなかった。

目を開ければ、さっきまでなかったはずの
めまいまで感じた。

痛みと、気持ち悪さと、苦しさと、

それから、

これから待っている逃れられない運命への
恐怖。

この状況を知ってしまったときの
想像できるメンバーの顔。

傷つけたくない。

優しすぎるくらいに、優しすぎるやつらの
集まりだから、
伝えたときにどれだけショックを
受けるかなんて。

そんなの分かってる。

それでも言わなきゃいけないのも
頭では分かってる。

けど、言ってしまったら、
今までみたいにただ前を見て、
馬鹿みたいに笑える日々はもう……

A「つっ、うえっ、げほっごほっ！」

頭の中はぐちゃぐちゃで
身体は自分のものじゃないみたいに
言うことを聞かなくて。

どうしていいかも分からない。

何もかもに耐えきれなくなって
胃の中のものを吐き出した。

A「つっ、はあっ、げほっ！」

視界がにじむのは、
生理的な涙のせいか、それとも……

そんなとき

コンコン、

扉をノックする音が聞こえてきた。

？？「A、いる？」

続いて聞こえてきたのは

A「ふっ、か……？」

聞き慣れた、ふっかの声だった。