【男主】涙でにじむ約束は (ページ21)

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病院ページ21

Aside

あー、もう、最悪だ。

自宅近くの病院の待合室のソファーに
もたれかかりながら、心の中でぼやいた。

やり切るつもりで行ったのに、
まずいところをラウールに見つかるし
みんなには結局心配かけて。

レッスン中、急に血の気が引く感覚があって
とっさに座り込んだ。

判断は間違ってなかったみたいで
その感覚はすぐに消えて
動けるようにはなったけど。

このままこんなのが続いたら
仕事に差し障る気がして、諦めて病院に来た。

ま、ただの疲れだろうけど。

重く考えるのも嫌で
そう自分に言い聞かせた。

看護師「雪村さーん、診察室にどうぞ」

A「はい、お願いします」

順番が来て診察室の白髪混じりの
男の先生に症状を伝えると、
一時的なものだったらいいけど
何か大きな病気が隠れていても困るからって
念のために採血をして帰ることになった。

医師「明日の夕方には結果が出てるから
それ以降の近いうちに結果聞きに来てね」

A「分かりました」

医師「症状を抑える薬出しとくから
気になるときに飲んでくれたらいいからね。

まぁ、話聞いてると睡眠不足と疲れの
可能性が高い気はするから
ゆっくり休むことが大切かな。
じゃ、お薬もらって帰ってね」

A「気をつけます。
ありがとうございました」

そのまま薬の受け取りとお会計をして
家に帰った。

明日になったら、またいつも通りに
なってたらいいな。

そんなふうに軽く考えていた。