限界 ページ20
佐久間side
どうも調子が良くなさそうなA。
昔からだけど、痛いとかキツいとか
あんまり外に出すタイプじゃない。
だから余計に心配で。
まぁ、今よりしんどくなったら
ちゃんと言うって約束はしたし、
そこはきちんと守ってくれる……はず。
Aの様子を気にしつつ、
ダンスレッスンを続けていたときだった。
パートの区切りになった瞬間、
前にいたAが急にしゃがみ込んだ。
佐久間「A！ 大丈夫？」
A「ごめっ、やっぱり今日、
帰らせてもらっていい……？」
乱れた呼吸を整えながらそう言ったAの顔は
さっきよりもずっと青白くてどきっとした。
深澤「いいもなにも、俺ら最初から
止めてたべ？」
阿部「だから無理しない方がいいって
言ったのに……」
A「……ごもっともで」
Aが困ったように笑ってみせた。
けどその笑顔には全然力が入ってなくて、
相当キツいんだっていうのが読み取れた。
佐久間「今日は早く帰って休みな？
最近忙しかったし疲れも出たんでしょ。
立てそう？」
A「座ったら落ち着いたから大丈夫。
本当邪魔しちゃってごめん」
宮舘「そんなの気にしなくていいから。
結構辛そうだし、病院で診てもらったら？」
A「うん、考えてみる」
岩本「１人で帰れるか？ 厳しかったら
送るけど」
A「子どもじゃないし大丈夫だよ」
向井「俺このあとオフやから、
車必要やったら出すから言ってな？」
A「ありがと、けど大丈夫だよ」
目黒「本当かなぁ」
A「みんなそろって心配し過ぎ。
本当ごめんね、お先失礼しまーす」
申し訳なさそうしながら、
Aはダンススタジオから出て行った。
ラウ「……本当に大丈夫なのかな」
ラウールが心配そうにつぶやいた。
佐久間「まぁ、Aも人間だし
体調崩すときもあるでしょ。
心配しすぎてもAの性格からして
気使いそうだし、これで良かったんじゃないかな」
阿部「そうだね、俺もそっちの方がいい気がする」
岩本「じゃ、続きしようか」
佐久間「そうだね」
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作者名：くらげ
| 作成日時：2021年9月20日 5時
