【男主】涙でにじむ約束は (ページ18)

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違和感ページ18

渡辺side

岩本「じゃ、そろそろ休憩挟もうか」

レッスンから１時間くらい経った頃
照からそんな提案がされた。

いつもこの時間は各自休憩したり、
ここまでの振りを確認したりする。

ゆっくりめのカウントでの振り入れだったから
体力的にはまだまだ余裕。

水分取って、ちょっと休んだら
振り固めるか。

そんなことを考えながら、
荷物を置いてある場所に向かっていたときだった。

渡辺「ん……？」

俺の少し前を歩いていたAが
いつもと違うことに気がついた。

Ｔシャツの色が変わるくらいに
汗をかいていた。

それに加えて、後ろから見ても分かるくらい
肩で荒い呼吸をしていた。

珍しいな……。

Aは超がつくほどの体力おばけ。

周りのやつらがヒーヒー言ってても
Aだけは涼しい顔をしてるのを
何度も見てきた。

俺でも全然余裕なのに、
かなりバテているように見えた。

声をかけようと思ったとき、
ふと視線を感じた。

視線を感じた方を見ると、
ラウールが眉間にしわを寄せて
不安気な顔をしながらAを見ていた。

あぁ、あいつも気付いたんだ。

ってことは、俺だけの勘違いじゃないって
ことか。

だったらなおさら声かけた方がいいよな。

渡辺「A」

A「ん？どした？」

タオルで汗をふきながら、
Aがいつもと同じような顔で
聞き返してきた。

渡辺「今日体調悪いだろ」

Aの手の動きが、ピタリと止まった。