【男主】涙でにじむ約束は (ページ2)

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１０人ページ2

深澤side

──Snow Manって１０人いたっけ？

ぐっと胸を締め付けられるような
息苦しさを感じた。

そう、だよな。

実際、ポスターに写ってるのは９人、
彼女の手にしてるCDジャケットには
１０人いるんだから。

仕方ない。

だって最近俺らのことを知ったばかりなんだから、
あいつのことを知らなくても無理はない。

頭では分かってるのに、
襲ってくるのは寂しさばかり。

女性１「Snow Manは１０人だよ。
今までも、これからも」

CDを渡してくれた子が、
はっきりと言い切った。

女性１「その子、雪村Aくん。
もう、見ることは出来ないけど、
ずっと大切なメンバーの一員だよ。
覚えててあげて？」

その子の声が微かに震えていた。

悲しみから抜け出せていないのは、
俺たちだけじゃない。

なぁA、見てるか？

おまえファン泣かせてどうすんだよ。

心の中で、Aに向かって話しかけた。

けど、Aの声は、やっぱり聞こえてこない。

その代わりに浮かんでくるのは、
柔らかい雪みたいな、優しくて綺麗な笑顔だった。

女性２「ねぇ、もっと聞かせてよ。
雪村Aくんのこと」

女性１「長くなるから、覚悟してね」

彼女はそっと目尻を指でぬぐって言った。