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A「でもこんな仮面少し気を抜けば
すぐに外れちゃうの。
この前亮くんが助けてくれた時もそうだった。
仕事が終わったって気を抜いて...
帰り際嫌なもの見て...
それで必死に逃げたら段々息の仕方忘れて。
亮くんが助けてくれたのにその時は
男の人に触れられるのが怖くて、
後ろから話しかけられるのも
全部全部恐怖でしかなくて...」
あぁ、そういう事だったのか。
ここまでの話を聞けば
あの時あんなに拒否されたことも
Aちゃんが抱えてきたものの大きさも
無知な俺にも少しはわかる気がした。
A「仮面を被ってれば平気なの。
男の人とも普通に話せるし触れ合える。
でも仮面を被ってる時だけ。
結局本当の私としては他人と
触れ合うことができないの。
だから私は私じゃない。
今まではそれでもいいと思ってた。
だってそれで上手く生活できてたから。
でもね、亮くんに会って話してすごい楽しくて。
友達になろうって言ってくれた時
すごく嬉しかったの。
でもそうしたら偽りの私で
亮くんと友達になるなんて申し訳なくて...
こんな気持ち初めてだったの。
亮くんには本当の私を見てほしいって思った。
でも本当の私になったら
亮くんとはこんな風に話せなくなるから...
傷つけるだけだから。
だからもう、私友達辞めてください...
自分勝手でごめんなさい。
少しの間だったけど楽しかった^ ^」
そこまで言えばAちゃんは
必死に涙をこらえながら
俺に向かって微笑んできた。
その笑顔が偽りのものだなんて
一瞬でわかったけど
それがわかった所でこの話を聞いた今
俺は何をすることが一番良いのか
何て言葉をかけるのが一番いいのか
それは分からなかった。
でもそんな事で友達をやめるなんて
Aちゃんを手放すなんて俺には考えられへん。
目を見れば"苦しい、助けて"と叫んでるようなのに
それでも必死に笑顔を作る彼女に
言われた通り友達をやめ、
"じゃあね"なんて言葉をかけられるほど
俺はできた人間やない。
だから俺は俺の想いを
今は思ったことを素直に話そう。
そう決心してAちゃんの方を向き直す。
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作者名：R. | 作成日時：2017年3月21日 16時
