30話 ページ32
天宮「ありがとうございます太宰さん」
太宰「良くなったかい?」
天宮「はい、太宰さんのお陰です」
彼に微笑むと僕よりも綺麗だと思える笑顔を返してくれた。
太宰「それは良かった。
しかし、私の所為だね。申し訳ないよ」
また珍しい。
落ち込んだり、焦る太宰さんを見るのが1日にこんなにある訳では無い。
天宮「大丈夫ですから、何時もの太宰さんに戻ってくださいよ」
太宰「ふふ…如何やら歩斗くんは私のことを翻弄させるのが得意みたいだね」
天宮「ほ、翻弄ですか?」
太宰「歩斗くんの前では冷静で居られなくなる」
天宮「其れ普通、好きな人の前でしかならないと思うんですが…」
太宰「うん、私もそう思っていた」
天宮「太宰さんじゃなくて乱歩さんが良かったです…」
太宰「君、乱歩さん好きだよねぇ」
天宮「まあ…恩人なので」
太宰「ふうん…」
太宰さんの雰囲気が変わった気がした。
顔を見ると意味ありげな一寸気持ち悪い笑顔だった。
太宰「却説…私は乱歩さんの推理を間近で見てくるが歩斗くんも行くかい?」
天宮「あ、行きます」
太宰「辛くなったら云うのだよ?」
天宮「はーい」
太宰さんと共に乱歩さん達へ近づくと1人の刑事さんが謎を解こうとしていた。
乱歩さんはもう真相が判ってるのかな?
刑事さんがこれはポートマフィアの仕業だとか云っている。
ポートマフィアか…
僕が狙われてる理由は太宰さんも知らないみたいだし。
太宰「違うよ」
天宮「ん?」
太宰さんがポートマフィアの裏切り者への処罰云々を話している。
元ポートマフィアだし、そういうところは詳しいよね。
乱歩「ぶーーっ!!」
いきなりの乱歩さんの登場で刑事さんや敦くん、僕も驚き飛び跳ねそうになった。
乱歩「駄目だなぁ、矢っ張り」
乱歩さんは徐に眼鏡を取り出した。
やっと終わる…
太宰「見てい給え、敦くん」
天宮「乱歩さん恰好いいよー?」
にしても、何故太宰さんはあんなに乱歩さんの背後に居るんだろ?
乱歩「異能力《超推理》」
恰好いい乱歩さんの姿を見ながら感嘆していると、思ったことがあった。
天宮「太宰さん、邪魔…」
乱歩さんのぴったり背後に居るから視界に入る。
何してんだよ、もう。
乱歩さんが恰好良く推理してるのに…
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作者名:星夢 | 作成日時:2017年1月7日 0時