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26話 ページ28

天宮「敦くん」
 
中島「ん、何?」
 
優しく頭を撫でてくれる敦くん。
 
彼の様に僕も昔、自分の所為で周りに危害が及ぶ、僕に居場所なんて無い…って考えていた時期もあった。
 
でも其の状況から僕は逃げ出すことが出来たんだ____
 
乱歩さんの一言のお陰で。
 
次は僕が敦くんを逃げさせる番だ。
 
天宮「敦くんの居場所は此処だよ?」
 
中島「え…」
 
天宮「敦くんは此処に居なきゃ。
 
敦くんには僕の傍に居て欲しい…」
 
ああ…駄目だ。
 
乱歩さんの様に上手く云えない。
 
天宮「敦くんは1人じゃないんだ、僕等が居る。
 
だから…1人で居なくなろうとしないで…?」
 
伝わった?
 
僕はあの時の乱歩さんの様に敦くんの心を少しでも軽くすることが出来た?
 
心配になりふと敦くんを見上げると、
 
中島「うっ…へへ…っ」
 
天宮「あ、つしくん…?」
 
中島「ありがとう、歩斗くん…」
 
泣いていた。
 
頬に涙の跡が出来ている。
 
中島「僕、怖かったんだ。
僕の所為で…って色々なこと考えて…
 
また独りになるんじゃないかって…」
 
居場所が欲しい。
 
何でもいいから、自分を必要としてくれる人が欲しかった。
 
天宮「敦くんを見ていると昔の自分を見ているみたい…」
 
中島「え、昔の歩斗くん?」
 
天宮「ふふ、想像出来ない?」
 
中島「うん…」
 
僕にも色々な過去があるからね…
 
でも今は此の話をする時じゃない。
 
天宮「敦くん。
 
僕が思うに辛い時や悲しい時、笑顔になれば少しは気持ちが楽になるよ」

 
____なんて、何時も凡てを笑顔に隠してる僕が云うのもなんだけど…
 
中島「そっか…ありがとう、そうしてみるね」
 
 
国木田「何時まで抱きしめあってるつもりだ、お前達」
 
頭上から国木田さんの声が響き、此処は襲撃を受けた探偵社だと云うことを思い出した。
 
天宮「すみません…片付けます」
 
国木田「ああ。小僧、お前もだ」
 
中島「え…」
 
国木田「此処がお前の居場所だ。

ならば確りと仕事をこなせ」
 
なんて国木田さんらしい言葉なんだ。
 
自分の出来ることをしろ。
 

襲撃による被害を片付け始めた。
 
相も変わらず乱歩さんは机に座りラムネを飲んでいる。
 
ビー玉なんて取り出す為に一旦手を止めるなんて春野さんも大変だ。
 
乱歩さんの事を見ながら作業をしていると、
 
乱歩「国木田くぅーん!」
 
陽気な乱歩さんの声が響いた。
 
 

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作者名:星夢 | 作成日時:2017年1月7日 0時

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