第9話 ページ9
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エースさん達も、ゾロゾロと後ろをついてくる。
何だか気まずいな...。
何処に連れていかれてるのかよく分かっていないが、どうせまたお説教だろうと目を伏せる。
その瞬間マルコさんに背中をドンッと押され前によろけた。
すると、何かの影に見下ろされている事に気づき頭を上げるとそこには
｢...どうした？｣
『......へ』
巨人...！？何て大きさなの...！？
私はあまりの気迫に体の力が抜け、その場で尻もちをついてしまう。
そこにはあまりにも大きい、今まで出会った事がない程の巨人が居た。
他の人達も大きいけれど、それとは比にならない...！
まるで初めて彼を見るかのような私の様子に、マルコ達は驚いている。確かにオヤジは大きいが、普段から見慣れている筈なのに。
｢オイ...グラララそんなにビビるこたァねェだろ｣
ぽんぽんと大きな手で私の頭を撫でるその手は、とても優しいものだった。
『...あなたが、エドワード・ニューゲート？』
｢｢｢ハァ？｣｣｣
その場に居た全員が口を揃えた。
まずい、口から勝手に出てしまった。
｢...オヤジ、こいつ朝から様子がおかしいんだよい。まるで記憶がねェみたいに｣
記憶が...？と周りがザワつく。
｢...何？どういう事だ｣
｢同室のリズは夢から覚めていないだけだと言ってたが、オレはそんな風に思えねェ。どうしてかは分からねェが、明らかにいつもと違うんだよい｣
｢...A、どうなんだ｣
オヤジと呼ばれるその大きな人が、私を見下ろしている。
これは本当の事を言った方が良いのだろうか。
...いや、この様子だと記憶がない事にする方が簡単だ。
『そのようです。私はこの場所での記憶がありません。あなた達の事も申し訳ないですが...知りません』
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作者名：りぃな | 作成日時：2022年11月6日 22時
