純愛メランコリー【Ryo】 (ページ8)

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ぺたぺたと私に着いてまわってくる姿はそれこそワンコみたいだ。

キッチンに立つと、腕まくりをして隣に立って何をすればいい？と目をぱちぱちさせる。

『座ってていいよ？』

「いいの、お手伝いしたい！」

龍也くんという前例があるから一緒に料理をするのは怖かったけど、涼くんはちゃんと料理ができるみたい。

後で話を聞けば、ずっと自分のと龍也くんのご飯を作っていたようで。

……まだ高校生なのに、涼くんは全然甘えられる環境にいなかったんだと気付かされる。

これからは沢山甘やかせてあげれたら、なんて思った。

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『涼くん運んでくれる？』

「はーい」

テーブルの上を彩る料理、……ちょっと簡単なもの過ぎたのは二時間の残業に免じて許してくれる？

キラキラした目でそれらを見つめる涼くんは、昨日の……、無気力な顔で別にいいけど、と言った表情とはえらい違いだった。

「いただきまーす」

『はい、どうぞ』

きっちり手を合わせてすぐに箸を伸ばす。

そんなにがっついてもらえると作りがいがあるものだ。

「Aちゃんすっげえ美味しい！……兄ちゃんの代わりに俺がお嫁さんにもらいたいくらい！」

なんて冗談ぽく笑った。

その言葉に、表情に、ほんの少しだけドキリと胸が音を立てたのは龍也くんには、秘密。

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