検索窓
今日:6 hit、昨日:20 hit、合計:110,942 hit

16ページ ページ16

.




『はい、おしまい』


「ありがとー、」


『涼くん髪結構傷んでるよね、私のヘアオイル使う?』


「あー、うん、」




まるで本当の “ 弟 ” のように世話を焼いてくれるAちゃん。


嬉しいけど、嬉しくない。




「Aちゃんと同じ匂いになった」


『シャンプーも柔軟剤も全部一緒だもんね』




おそろいが増えていく度に錯覚しそうで、怖くなる。


同じ屋根の下、好きな女の人と一緒に住んでいるのに俺のものじゃない、俺のものには決してならない。




『あ、そうだ、涼くん勉強しよ?』


「ああ、お願いします……!」


『えーっ、とどこからわかんない?』


「えへ、全部!」


『それ得意げに言うことじゃないから!』




もし、Aちゃんと同い年だったならば、


こうして放課後、一緒に勉強したり、


同じ制服を着たままデートをしたり、


涼くん、A、って呼び合えたりしたのかな?




『……懐かしいなあ、』


「ん?」


『高校時代に戻ったみたい、』


「ねーAー、俺全然わかんないー!」


『何それ、龍也くんのマネ?』


「そ、似てる?」


『うん、ちょっと似てる』




兄ちゃんのマネをして、ドキドキしながら呼び捨てにする。


でもどう頑張ったって、俺は兄ちゃんにはなれないけれど、




「ね、A?寂しいときは、俺に頼っていいんだよ?」


『りょ、くん……、』


「ううん、今は兄ちゃんのマネしてるから、龍也、」




代わりにだったらなれないかな?




.

17ページ→←15ページ



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (274 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
950人がお気に入り
設定タグ:HiHiJets , 橋本涼
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:アオ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=blueao5&scr=novel/jeyuto01...  
作成日時:2019年6月17日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。