Hiding Words (ページ1)

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私が韓国に来てから1ヶ月に月日が経った。
相変わらず、リョウクさんは毎日忙しく
お仕事をしている。

そして、私も新しい作品の執筆を始めた。
今回に作品は、自分に体験談に少しフィクションを入れた
恋愛小説を書く予定だ。

今日は、丁度その打ち合わせをZOOMで藤井さんと行う。
私は自室のデスクに座り、パソコンを立ち上げて
ZOOMを起動した。

指定されたルームに入ると、すでに藤井さんは
スタンバイが完了していたみたいで
モニターに彼女の姿が映し出された。

「お待たせしました」
私が、そう言うと藤井さんはにっこり笑って
「大丈夫ですよ〜」と答える。

「じゃあ、早速始めますか」
そう言って、いつも打ち合わせのメモを書いている
ノートを広げた。

「Aさん、その前に聞きたいことがあるんです」
藤井さんはニヤニヤしながら、こちらを見ている。
藤井さんが聞きたいことについて、思い当たるものはある。

「もしかして……リョウクさんとのことですか？」
そう言うと
「そうですよ！韓国に行かれてから
全然音沙汰なかったから、1ヶ月間そのことが気になって
仕事が手につかなかったんですから」

と、ニヤニヤしながら答える彼女。

「特に変わりは無いですよ。
向こうは色んな国にイベント等で行っているんで
一人暮らししていた時とあまり変化ないですし」
正直、リョウクさんと過ごせたのは
本当にほんの数日だけだった。

彼は韓国でのアンコールコンサートを終えて
少しの休暇があったが、また忙しい毎日が始まってしまい
あまり一緒の時間を過ごせていない。

「でも、公開恋愛してますし
何か問題とかはないんですか？」
きっと彼女が気になっていたのは、こっちの話題だろう。

「リョウクさんも一般人女性としか明言していないので
誰かまでは特定されていないみたいなので
実害はないですよ」

私の安全を第一に考えたリョウクさんは
一般人女性以外の情報を公開していなかった。

私が日本人で、しかも小説家ということに関しては
一切公表していなかった。

「何か用があればマネージャーに方が送り迎えしてくれますし」

自分が一緒に居れないからか
そこら辺のことはきっちりと守ってくれている。

「私との関係も事務所の一部とメンバーのみしか知りませんし、私も藤井さん以外には話していないので」

「ならいいですけど……」
「内容が内容なので、信頼できる人以外には伏せてるんです」
私がそう言うと藤井さんは少し照れたような表情をした。