Oh my brother!【R.N】 (ページ17)

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「Aちゃん。この子、知っての通りジャニーズで、ほとんど家にいないから、実質そんなに邪魔にはならないと思うの。
Aちゃんと一緒に住むならいい意味で緊張感が出てそこまで散らかさないと思うし、食事だって今まで通りAちゃんは気を使わずに好きにしてくれていいの。

だから、この家に置いてくれないかしら…」

「…え…っとーー」

もう訳が分からなくなってお父さんに視線で訴えかける。

「まぁ一応大人って歳の男女が一緒に住むってゆうことにびっくりするかもしれんけど、戸籍上兄弟になるし、Aには斗真くんがおるし、歳も8個も離れてるやん？お互い、変な目で見たりどうこうなることなんか無いやろ思て。」

「変な目って…そ、そりゃぁ！きょ、兄弟になるんやし、廉くんが8個も上のおばちゃんになんかするわけないしっ、私も斗真がおるし、そらそーやけどっ」

「じゃ問題ないよな？」

「も…問題ってか…

でも、私！これから…」

ギュッ

膝の上にきつく握ったまま置いていた手を、包まれる感覚。

思わず隣を見る。

斗真が穏やかな表情で私を見つめる。

目が、『今日はやめとこう』って言っていた。

「A？」

「…っ…

なんもない…」

「じゃあ、そーゆうことでええな？

大丈夫や、転勤ゆーても、2年やねん！

2年経ったら帰ってくるから、そしたらまたこの家でみんなで住めるで。

まぁその頃にはAは結婚してこの家出るかもしらんけどな！」

いつでもどこでも呑気なお父さんの、笑い声がひどく頭に響いた。

それからのことは、あんまり覚えてない。

廉くんが、私の弟になる。

この家に住む。

この事実だけが頭の中で駆け巡るばかりで、廉くんの引越しの話や、再婚の手続き、ドイツへの移住の話をしたけど、いまいち頭に入ってこなかった。