Oh my brother!【R.N】 (ページ12)

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「うんんまっ」

声をうわづらせながら、心底びっくりした顔をしてる廉くん。

びっくりした時とかによくする手を口元に持っていくしぐさは、テレビでもSNSでも、何度も見たもので。

ほんとにこのしぐさするんだぁ…ほんとに永瀬廉くんなんだぁと、ただただ呆けていた。

「やろぉ！？うちの姉ちゃん、マジで気ぃ強いけど料理は完璧やから！ちなみに唐揚げは姉ちゃんの料理で俺が一番好きなやつやで！」

「誰も聞いてへんわ！

お、お口に合いますか…？」

聞いてる間も、ヤギみたいな食べ方でバクバクご飯を食べ進める廉くん。

「めっほぁふはいれす！」

「ぷっ…

よかった。」

「ほんとに！このブリ大根なんかもしっかり味が染みて、すごい美味しい！大根の面取りもちゃんとやってるのねぇ…！」

佳奈さんも大根をまじまじと見ながら、美味しい美味しいと食べてくれた。

「面取りは気分でやったりやらなかったりですけど…笑

お口に合ったならよかったです。」

佳奈さんと廉くんの箸が進んでいることにホッとしていると、インターホンが鳴った。

「あ！斗真くんちゃう！？」

「あ…私出てくるわ」

はやる気持ちを抑えて、平然と部屋を出た。

おそらく、みんなは私がただジャニーズの人がやってきたことに動揺しているだけとしか思っていない。

でも本当は全然違う。

目の前に、廉くんがいる。

毎日出演する番組もSNSもチェックして、コンサートに当たれば遠征したりして。
廉くん主演の映画の試写会には、華ちゃんと雑誌買いまくってひたすらハガキを書いて応募したりしたなぁ。当たらなかったけど…

コンサートでもいい席に当たった時は、廉くんが5メートルぐらいまで近くに来てくれたことはあった。

それだけで胸がいっぱいになるぐらい嬉しくて、目に焼き付けておこうって必死になったりした。

それぐらい大好きな彼が、今私の家にいて、私のご飯をおいしいと食べてくれてる。

嬉しいとか感動とかもあるけど、一番はこの状態にパニックになっていて、いっぱいいっぱいで。

でもその状況をわかってくれる人は、今この家にはいない。

斗真に会ってもこの状況が変わることはないけど、私の胸の内をわかってくれる人が来てくれたことに安心して、急いで玄関まで行った。