検索窓
今日:18 hit、昨日:0 hit、合計:137,169 hit

05 ページ5

.









しんとした部屋の中、サラサラとペンを走らせる音が響く。







ふと書いていたレポートから顔を上げると、勉強机に真剣に向かう涼介くんの姿。









.









あんなに家庭教師を付けることを渋っていたけど、やる気はすごくあるんだろうな……。








私も、力になれるように頑張らないと。



さらに気合いを入れ直してレポートに向かうと、涼介くんが椅子ごとくるりとこっちを向いた。








.









涼介「Aちゃん、出来たよ」







A「あ、はーい。………どれどれ」









ん、とテキストを突き出してきた涼介くんから冊子を受け取って、赤ペンを手に答え合わせ。








.









本格的に家庭教師として涼介くんに英語を教えることになって数日、私も驚くほどの伸びを見せた涼介くん。








.







A「すごい、涼介くん……全部当たってる」









丸ばかりの付いたテキストを返すと、満足気に笑ってペラペラとテキストをめくる。







.









涼介「まーね。俺、覚えだけは早いのよ。



Aちゃん教えんの超上手いしね。家庭教師大正解だわ」









俺、今圭人より英語出来んじゃね?なんて上機嫌で椅子ごとくるくる回転する涼介くん。









A「何言ってんの………(笑)




でもこの調子だと、来週の模試も期待出来そうだね?」









毎月のように校内で模試を受けてる涼介くん。




これまでの英語の点数は、私が見ても言葉を失うくらいだった………けれど、今回は本当に期待が出来そう。





くるくると回転し続けていた涼介くんが、ふと止まって自信ありげにピースする。









.









涼介「任せなさいよ。




…………あ、20点の沼から脱出出来たらさ、何かちょーだい」








A「………何か?」





首を傾げる私に、椅子にもたれてゆらゆらと揺れながら口角を上げた涼介くん。








.









涼介「そ。ご褒美あった方が頑張れんじゃん?」








.







………………ご褒美、









A「な………お金ないんですけど!」








納得のいかないように抗議する私を楽しそうにチラリと横目で見て、涼介くんはまた勉強机に向かった。









.

06→←04



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (301 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
778人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

夢美 - すっごいおもしろいですよ!大変だと思いますけど無理しない程度に更新頑張ってくださいませ!凄くこのお話大好きデス! (2017年5月22日 22時) (レス) id: 547aff41c6 (このIDを非表示/違反報告)
JUMPっ子 - 私的にいのちゃんと付き合ってもしいなぁ〜(・o・)これからも頑張って下さい! (2017年1月14日 21時) (レス) id: f317dd3713 (このIDを非表示/違反報告)
咲密 - お話の作りがお上手で大好きです! (2017年1月14日 20時) (レス) id: 3a74ab0a8d (このIDを非表示/違反報告)
あやか(プロフ) - この小説大好きです!!これからもがんばってください!! (2016年12月28日 21時) (レス) id: ed0e5b805a (このIDを非表示/違反報告)
蘭蘭蘭世 - ちゆうさん» ほんとですか!!やった〜(*^^*)嬉しいです! (2016年12月21日 23時) (レス) id: e905434a85 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ちゆう | 作成日時:2016年11月23日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。