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しんとした部屋の中、サラサラとペンを走らせる音が響く。
ふと書いていたレポートから顔を上げると、勉強机に真剣に向かう涼介くんの姿。
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あんなに家庭教師を付けることを渋っていたけど、やる気はすごくあるんだろうな……。
私も、力になれるように頑張らないと。
さらに気合いを入れ直してレポートに向かうと、涼介くんが椅子ごとくるりとこっちを向いた。
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涼介「Aちゃん、出来たよ」
A「あ、はーい。………どれどれ」
ん、とテキストを突き出してきた涼介くんから冊子を受け取って、赤ペンを手に答え合わせ。
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本格的に家庭教師として涼介くんに英語を教えることになって数日、私も驚くほどの伸びを見せた涼介くん。
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A「すごい、涼介くん……全部当たってる」
丸ばかりの付いたテキストを返すと、満足気に笑ってペラペラとテキストをめくる。
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涼介「まーね。俺、覚えだけは早いのよ。
Aちゃん教えんの超上手いしね。家庭教師大正解だわ」
俺、今圭人より英語出来んじゃね?なんて上機嫌で椅子ごとくるくる回転する涼介くん。
A「何言ってんの………(笑)
でもこの調子だと、来週の模試も期待出来そうだね?」
毎月のように校内で模試を受けてる涼介くん。
これまでの英語の点数は、私が見ても言葉を失うくらいだった………けれど、今回は本当に期待が出来そう。
くるくると回転し続けていた涼介くんが、ふと止まって自信ありげにピースする。
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涼介「任せなさいよ。
…………あ、20点の沼から脱出出来たらさ、何かちょーだい」
A「………何か?」
首を傾げる私に、椅子にもたれてゆらゆらと揺れながら口角を上げた涼介くん。
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涼介「そ。ご褒美あった方が頑張れんじゃん?」
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………………ご褒美、
A「な………お金ないんですけど!」
納得のいかないように抗議する私を楽しそうにチラリと横目で見て、涼介くんはまた勉強机に向かった。
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夢美 - すっごいおもしろいですよ!大変だと思いますけど無理しない程度に更新頑張ってくださいませ!凄くこのお話大好きデス! (2017年5月22日 22時) (レス) id: 547aff41c6 (このIDを非表示/違反報告)
JUMPっ子 - 私的にいのちゃんと付き合ってもしいなぁ〜(・o・)これからも頑張って下さい! (2017年1月14日 21時) (レス) id: f317dd3713 (このIDを非表示/違反報告)
咲密 - お話の作りがお上手で大好きです! (2017年1月14日 20時) (レス) id: 3a74ab0a8d (このIDを非表示/違反報告)
あやか(プロフ) - この小説大好きです!!これからもがんばってください!! (2016年12月28日 21時) (レス) id: ed0e5b805a (このIDを非表示/違反報告)
蘭蘭蘭世 - ちゆうさん» ほんとですか!!やった〜(*^^*)嬉しいです! (2016年12月21日 23時) (レス) id: e905434a85 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゆう | 作成日時:2016年11月23日 20時