サイレント・キス〔 Ryosuke.Y 〕

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涼介｢…………ん〜、｣








涼介くんが問題を解き始めてからはや2時間。








A｢大丈夫………？｣




涼介｢ん〜………これ、｣






顎先にシャーペンを当てて首をかしげた涼介くんに近寄り、後ろからテキストを覗き込む。






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A｢あ、ここは………貴方が大丈夫なら“いつでも”出発できますって意味になるから……｣






単語ひとつ分空白の空いた英文を指で追う。





涼介｢いつでも………？…あ、｣





涼介｢whenever、？｣







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迷いながら空欄を埋めた涼介くんの瞳が、チラリとこちらを伺う。







A｢That's right！せいかーい｣





涼介｢へへ、やったね｣





得意気に笑って伸びをした涼介くんに、思わず笑みがこぼれた。






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気が付けば丸ばかりのついたページは、涼介くんの覚えの早さを示している。







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A｢すごい、涼介くん。関係詞は完璧だね｣







涼介｢まあね………なんかチョー楽しいもん｣









楽しそうに笑った彼が、くるりと椅子を回転させた。









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A｢楽しかったなら良かった。



じゃあ、そろそろ終わりにしよっか｣







涼介｢あ、ねえ｣









そう言ってテキストを閉じた私に、くるくると椅子を回転させた涼介くんが声を掛ける。









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涼介｢………………………次は？｣








A｢………え？｣








涼介｢だから……ここまで来たら頑張るって、言ったじゃん、｣





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涼介｢よろしくね、Aせんせー｣







回るのをやめて机に頬杖を付いた涼介くんが、ふっと口角を上げた。









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