サイレント・キス〔 Ryosuke.Y 〕

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ここへ来るまでも、人が多いとは思っていたけど







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A｢……すごい人、｣






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“3-C ポリス喫茶”と大きな看板がかかった教室の中は、溢れそうなほどの人。




…………というか、何かを囲むかのように一点に集中した女の子たち。









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圭人｢すごいよね……ほとんど、山ちゃん目当てのお客さんなんだよ｣







扉から教室を覗き込んだ圭人くんが、優しそうな目元をこちらに向けて微笑んだ。








A｢………そうなの？｣








大貴｢そーだよ、みんな山田山田って言ってさ、俺らなんも出番ねーの｣






不満そうに唇を尖らせた大ちゃんにほら、と示された向こうには、たくさんの人の中心にいる涼介くんの姿。





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A｢………涼介くん、人気者なんだね｣









中でたくさんの人に囲まれて楽しそうに笑みを零す涼介くんに、何だか私はとても場違いなところに来てしまったのではないかという不安がよぎる。







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A｢ねえ、私やっぱり、｣







“帰る”









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言いかけた口を、慌ててつぐむ。









侑李｢ねえ、席空いてたっぽいよ。ラッキーだね｣







慧｢お、まじで？ラッキー。



ほら行くよ、A｣









結局その言葉は言えないまま、









中の様子を見に行っていた知念くんが戻ってきて、私と慧ちゃんを中へ促した。









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