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涼介「…………おねーさん、」
シャーペンを握ってテキストとにらめっこしていた涼介くんが、ふとこちらを振り向いたので
レポートに落としていた視線を上げる。
A「ん、どうしたの?」
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光「とにかく!1回だけ教えてもらってみろよ!
合わなかったら、その時は断ればいい」
八乙女くんの猛プッシュで、少しだけやってみる気になってくれた涼介くんに駆け寄り、テキストを覗く。
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A「……どの問題?」
涼介「どれもこれもさっぱり分かんねぇよ……カテって何、」
A「………………かて?」
涼介「これ……カテって読むんじゃないの?」
涼介くんが指し示した英文を目で追う。
そこに表された主語の“Kate”の文字。
アルファベットで読んでカテ、か。
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A「涼介くん、これケイトだよ。
ケイトはとても優しいので……紳士と呼ばれています」
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涼介「けいとぉ?………初耳なんだけど」
シャーペンで英文を追いながら訳していくと、納得のいかないように椅子の背もたれに寄りかかった涼介くん。
まあ、確かに私も中学生の頃は“Mike”を“ミケ”って読んだりしてたっけ………
なんて昔の事を思い出して思わず頬が緩んだ私を、涼介くんが横目でチラリと見る。
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涼介「何笑ってんの……英語嫌いって言ったじゃん」
涼介「だいたい。俺のクラスの圭人はアルファベットでKeitoだし」
不貞腐れた様に頬を膨らませる涼介くんを、可愛いなんて思ったり。
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A「はいはい……でも、頑張ろうね」
笑いながら声をかけた私に、
涼介「まあね、ここまで来たら頑張りますよりょーちゃん。
おねーさんも、ちゃんと教えてよね?」
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ぐるりと椅子を回転させてこっちを向いた涼介くんが、それだけ言ってまたテキストに向き直った。
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夢美 - すっごいおもしろいですよ!大変だと思いますけど無理しない程度に更新頑張ってくださいませ!凄くこのお話大好きデス! (2017年5月22日 22時) (レス) id: 547aff41c6 (このIDを非表示/違反報告)
JUMPっ子 - 私的にいのちゃんと付き合ってもしいなぁ〜(・o・)これからも頑張って下さい! (2017年1月14日 21時) (レス) id: f317dd3713 (このIDを非表示/違反報告)
咲密 - お話の作りがお上手で大好きです! (2017年1月14日 20時) (レス) id: 3a74ab0a8d (このIDを非表示/違反報告)
あやか(プロフ) - この小説大好きです!!これからもがんばってください!! (2016年12月28日 21時) (レス) id: ed0e5b805a (このIDを非表示/違反報告)
蘭蘭蘭世 - ちゆうさん» ほんとですか!!やった〜(*^^*)嬉しいです! (2016年12月21日 23時) (レス) id: e905434a85 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゆう | 作成日時:2016年11月23日 20時