嘘つきラバー〈安室透.降谷零〉 (ページ33)

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33.困った子──side安室ページ33

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コナン「ったくよ……」

閉まるドアにボソッと呟くワントーン低い声。

『コナンくんは本当に蘭姉ちゃんに弱いんだね。』

コナン「………安室さん」

『早く帰らないと心配するんじゃないかな。』

彼女がタイミングよく来てくれて本当によかった。

このままじゃ、帰りそうになかったからね。

コナンくんは渋々カウンター席から降り、ドアの目の前まで歩くと足をピタリと止め振り返った。

コナン「ねぇ、この前Aお姉さんになんて言おうとしたの？」

『……この前？』

コナン「Aお姉さんが幼馴染から貰ったお守りが無くなったって話。その幼馴染に何か思い当たることでもあったんでしょ？」

『………』

コナン「多分、ボクと同じことを思ったんじゃないの？」

＂────「その幼馴染ね、私にお守り渡したっきり連絡取れなくなっちゃったんだ。今はどこにいるのか全くわからないの。困った人でしょ？」＂

＂────コナン「Aお姉さん、その人」＂

＂────『その幼馴染って……』＂

＂────『もしかして……』＂

コナン「もしかして、＂レフティ(左利き)＂ですか……安室さん、そう言おうとしたよね？」

『………さぁ。どうだろうね。忘れたよそんな前のこと』

ニコリ、と笑顔を浮かべれば

コナンくんはフッと笑った。

コナン「じゃあ、またね。＂安室の兄ちゃん＂」

意味深な笑みを残して、お店を後にした。

相変わらず……

『全く……困った子だ。』

閉まるドアに揺れるベルを見つめた。

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