28.無機質な瞳 ページ28
*
尻餅をついたその衝撃でカバンから書類や財布などが廊下に散乱する。
？「すみませんっ、大丈夫ですか？」
「いえ、こちらこそボーッとしてて……」
最悪だ、ここが警視庁の中だってこと完全に頭から抜けていた。
ふと、顔を上げると黒縁眼鏡をかけた黒髪の男性が一緒に書類を拾ってくれる。
スーツを着たかっちりした人。
よりによって刑事さんにぶつかってしまうなんて……
どこの所属の刑事さんなんだろ…
一緒に屈んで拾ってくれる眼鏡の刑事さんはある資料をジッと見つめた。
「あの……？」
「貴方は警視庁の記者の方ですか。」
私の瞳を捉える無機質な瞳。
「そうですけど……」
書類を全て拾うと彼はスッと立ち上がる。
眼鏡の刑事さんが私に向かって何か言おうと口を開いた瞬間だった、
「あれ〜？Aお姉さん？」
背中から聞こえる馴染みのある子どもの声。
この声……！
「コナンくん！？どうして警視庁に……！？」
ハッと振り返ると、スケボーを脇に抱えたコナンくんがいた。
コナン「遊んでたらね、通りかかったおじいさんが引ったくりに遭って…さっきその犯人捕まえたんだ。」
だから警視庁に……なんて。
遊んでたら引ったくりを捕まえた……？
ほんと、何者なのこの子……
コナン「あれぇ？お兄さんって確か…」
「…失礼。」
眼鏡をかけた刑事さんは拾ってくれた書類を私に手渡すと足早にその場を去って行った。
「……さっきの刑事さん、コナンくんの知り合い？」
コナン「知り合いっていうか……ちょっとね。Aお姉さんこそさっきのお兄さんと知り合いなの？」
「ううん、初対面だよ。あの刑事さんとさっきぶつかっちゃって……」
へぇ……と呟いたコナンくんは何か考え事をしているように見えた。
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作者名：ぺんぎん | 作成日時：2018年5月22日 17時
