18.都合の悪い事件 ページ18
*
警視庁はいつだって慌ただしく人が行き交う。
夕日が沈みそうな時間であっても警視庁の記者倶楽部も同じく忙しい。
どうして次から次へと事件が起こるのだろう。
スポーツ記事を書いているときはあまりピンと来なかった。
改めて物騒な世の中だと痛感する。
「あの、津川さん。この前私に非通知で電話かけましたか?」
パソコンに集中している津川さん。
一瞬、怪訝そうな表情をして顔を上げた。
津川「は?電話?かけてねぇよ。そもそも非通知でかけるかよ。」
……ですよね。
じゃあ、あの無言電話は何だったんだろう。
津川「イタズラなんじゃねぇの?それより中央区の連続殺人事件はどうなってる?」
「早速、この後捜査関係者への夜回りへ行ってきます。」
カバンに必要書類を入れて席を立つと、津川さんはあっと口を開いた。
津川「そういやこの前の東京湾の爆発事件、上からの情報によると爆発自体がなかったことにされたらしい。」
「……え?爆発自体がなかったことに…?」
どういうこと?
津川「警察庁にとって都合の悪い事件だったってことだ。」
警察庁にとって都合が悪い……
よくある話だろ、なんて津川さんはタバコを咥えて火を付ける。
津川「まあ、こんなこと出来るのは一つしかねぇだろうな」
「それって……」
津川「警察庁の公安、ってのが真っ先に出てくるだろうな。」
爆発事件だ。
そういった大きい事件は必ず公安が関わってくるからな。
そう、天井を見上げながら煙を吐いた。
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作者名:ぺんぎん | 作成日時:2018年5月22日 17時