嘘つきラバー〈安室透.降谷零〉 (ページ15)

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15.「"ボクと"一緒だね。」ページ15

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『そういえば、まだ自己紹介していませんでしたね。』

カウンター越し、ティーカップを手に取ったお兄さんはニコッと微笑んだ。

『僕はこのポアロでウェイターをしている安室透と言います。』

安室、透さん……

だから＂あむぴ＂なのか。

いかにも女子高生が考えつきそうな……

「私はAAです。日売新聞社に勤めています。」

カバンから名刺を取り出すとまだ運動部のままになっていた。

作り直したのまだ受け取ってないんだった…！

仕方なくボールペンで二重線を引いて、その下に社会部捜査当局担当と書いたものを安室さんへ手渡した。

『捜査当局、担当……』

「警視庁の記者クラブに在籍してます。って言っても移動させられたばかりで雑用ばかりなんですけどね…(笑)」

まじまじと名刺を見つめる安室さんに苦笑いで訂正すると

さっきの男の子、コナンくんが隣のカウンター席によじ登るようにして座った。

コナン「お姉さんって事件を担当する記者さんなの？」

興味津々な真っ直ぐでつぶらな瞳が私を見上げる。

「うん。そうだよ。」

コナン「何か事件が起こると取材で走り回ったりするの？」

「そうだね。事件が起こったら昼夜問わず動かなきゃいけないから大変なの。」

そういえば私も子どもの頃何でも興味持っていたな……なんて思っていると

メガネの奥の瞳が変わった気がした。

コナン「記者さんって真実を伝える仕事をしているんだよね。じゃあ、ボクと一緒だね。」

「………ボクと？」

………え？

という表情をしたコナンくんは慌てるように口を開いた。

コナン「た、探偵なんだ。小五郎のおじさんが！！」

小五郎のおじさん……？

ああ、確かこの上って眠りの小五郎で有名な毛利探偵事務所だったはず。

コナン「ボク、小五郎のおじさんのとこでお世話になってるから…つい…」

テヘ、なんて眉を下げる表情にギュッと心を掴まれる。

か、可愛い……！！

コナン「そうだ、安室の兄ちゃんも探偵なんだよ。」

「……え？」

コナンくんの言葉にティーカップに紅茶を注ぐ安室さんを見つめた。

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