12.懐かしい記憶 ページ12
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��「当分ここを離れることになった。」��
��「なに、心配するな。」��
私の髪にそっと触れると
自分の付けていたネックレスを外し
私の首に付けた。
��「これがお前のことを守ってくれるだろう。」��
��「そんな顔をするな。必ず迎えに来る。
…………約束だ。」��
真っ暗の中、彼の背中が離れていく
行かないで……
行かないで、
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ズキズキとかち割れそうなほどの頭痛に目が覚める。
随分と懐かしい記憶を見ていたようだった。
ゆっくりと目を開くと、私の顔を心配そうに覗き込む女の子が一番最初に目に入った。
「みんなー！！お姉さんが目を覚ましたよー！！」
「ホントですか！？」
「姉ちゃん大丈夫かぁ！？」
ぞろぞろと私の周りに集まる小学校低学年ぐらいの子供たち。
な、何事……？
状況が全く読めない。
なんとか
「お姉さん、あまり身体を動かさない方がいいよ。」
私に危ない───と叫んだ男の子と同じ声。
「頭にサッカーボールが当たって倒れたんだ。お姉さん覚えてる？」
淡々とことの説明をするのは
レンズの大きな黒いメガネをかけた可愛らしい男の子だった。
落ち着いた話し方、声色
まるで小学生ではないように錯覚する。
「姉ちゃんごめんなぁ……おれがけっとばしたボールが当たっちまって……」
申し訳なさそうに眉を下げる少し大柄な男の子。
「そうだよ！！元太くんが思い切りとばすから！！」
「そうですよ！！！お姉さんが目を覚まさなかったら一大事でしたよ！！」
「や、私は……」
「おめぇーらうるせぇな！ お姉さんの頭に響くだろうがよ！！」
頭に手をやると、丁寧にも包帯が巻かれていた。
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作者名：ぺんぎん | 作成日時：2018年5月22日 17時
