君を愛したその先に

__ HY ページ9

.





「あれーー、Aちゃん酔ってんのー？」


「んーーー」







ちょっと酔いを醒まそうとお酒を休憩していると、そんな声がどこからか聞こえてきて。


ハッとして目を向けると、部屋の端っこで丸まっているAとそんなAにハイエナのような視線を送る男がいた。







やばい、と慌ててAの元へ駆け寄ってその顔を覗き込めば、耳まで真っ赤に染まったAの虚ろな視線がぼんやりと私を捉えた。




ハユンだー、とへらへら笑うその姿を見て、ああしまったとAにお酒を飲ませた自分を責めた。



でもこの子罰ゲームのショットしか飲んでないんじゃないのかな、と溜息と共にAが座っていたテーブルを見ると、透明の液体が僅かに残ったグラスがあって。



まさか、とそれを飲んでみると、予想的中、焼酎。






あーこれは水と間違えて隣の人のであろう焼酎を飲んじゃったんだなーと頭を抱えた。



私もテンション上がっちゃっててAのことまで気を回してなかったから。







「Aちゃん、もうやばいでしょ？俺んちで少し寝ていきなよ〜」


HY「ッバカ！そんなことしたら私が殺される！」


あのイケメンうさぎに。




Aに触れようとするその汚らわしい男の手を引っ叩いてキッと睨みつけた。






どうしよう、あのうさぎくん絶対怒るよねーー。


可愛い顔してるけど体格いいし力強そうだもん。


Aがお持ち帰りなんかされちゃったら結構まじでやばいことになりそう。







……よし、もう仕方ない。

うさぎくんからのお叱りは全て私が受けよう。







そう決心してAのスマホを取り、親指を拝借してロックを解除し、履歴の一番上にあった【ジョングク】に電話をかけた。




.

__ JK→←酒は飲んでも呑まれるな

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す