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季節は冬。
あっという間に臨月になって、重たくなったお腹を抱えて夕飯を作っていたら、玄関先からドタバタと騒がしい足音が耳に届いた。
JN「A！決めたよ！」
その主は仕事から帰ってくるなりそう言って慌ただしく部屋に入ってきたジンくん。
料理していた手を止めて向き直れば、差し出されたのは小さな紙切れ。
裏に活字が並んでいるのを見ると、たぶん会社の書類の裏紙に書いたものだろう。
「泰亨…？」
とりあえず書いてある文字をそのまま口にしてみる。
これって、とジンくんを見上げたら、誇らしげな表情のジンくんがきゅっと歯を見せて笑った。
JN「
ここ数ヶ月ずっとああでもないこうでもないって悩み続けていた赤ちゃんの名前。
私もなんとなく考えてはいたんだけど、ジンくんが命名本なんかを買い漁って真剣に考えてくれていたから名前はジンくんに任せることにしていた。
そんなジンくんが悩みに悩んで決めたその名前はストンと違和感なく心の中に入ってきた。
「テヒョン…うん、すごくいいと思う！」
JN「全てのことが上手くいくって意味。この子には幸せをたくさん感じて欲しいし、みんなに愛される子になってほしいからね」
ああなるほど。いい名前を考えついたから、忘れないようにってすぐに書類の裏に書いたんだね。
慌てて書き記すジンくんの姿が思い浮かんで、ふふっと笑みが漏れた。
「そうだね。私たちも頑張らないと」
JN「うん。大丈夫だよ、俺たちなら。いっぱいいっぱい愛してあげよう」
とはいえまだ両親には結婚すら認めてもらえてなくて、私は大学を中退したばかり。
まだ自分すらちゃんと大人になれていないのに、親になるなんて正直不安がないと言えば嘘になる。
だけどジンくんとなら大丈夫。根拠はジンくんだから、としか言えないけれど、それでもこの小さな手を繋いで3人で歩く未来を胸に描いていた。
だけどそれは、叶わなかった。
手を繋いで3人で歩くことも、公園に遊びに行くことも、両親に認めて貰えて結婚することも。
当たり前のように信じていた未来は、何一つ訪れることなく余りにもあっけなく崩れてしまった。
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ひなぴ〜 - このお話ものすごくキュンキュンするぅ！これからもガンバってください！ 応援してます！！ (2019年9月28日 22時) (
レス) id: 26489886b1 (このIDを非表示/違反報告)
haru(プロフ) - nanatyn27さん» お返事遅くなりすみません！！せっかくフォローして頂いたのに、何も更新していなくてごめんなさい（ ; ; ）フォローありがとうございます（ ; ; ） (2019年9月26日 13時) (レス) id: 88b5764800 (このIDを非表示/違反報告)
nanatyn27(プロフ) - 超今さらなんですが、このお話が急にすごく読みたくなったのでツイッターフォローさせていただきたいので許可お願い致します泣 @___tae178cm です！ (2019年9月22日 14時) (レス) id: 9661676326 (このIDを非表示/違反報告)
haru(プロフ) - 凛音さん» 全てが温かい凛音さまのコメント…ありがとうございます（ ; ; ）そういえば私、自分で書いときながら結婚まで2年くらい間があったことすっかり忘れてました（笑）貴重なご意見ありがとうございます(*^^*) (2019年7月26日 22時) (レス) id: 88b5764800 (このIDを非表示/違反報告)
haru(プロフ) - はおぺんさん» わあもったいないお言葉です……ありがとうございます（ ; ; ）私も3歳児テテお気に入りです（笑） (2019年7月26日 22時) (レス) id: 88b5764800 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：haru
| 作成日時：2019年3月12日 20時
