73 ページ25
.
テヒョンが生まれたとき、初めて一人で歩いたとき、ママと呼んだとき、一番に伝えたかったのはジンくんだった。
一人で仕事も子育てもする生活が辛くなって、涙が止まらなくなったときも、ジンくん会いたいって何度も溢した。
いくらそう願ったってジンくんが戻ってくることはないと分かっていたけど、ジンくんを想うことだけが私の支えだった。
HS「俺はジンさんの代わりにはなれないかもしれません。でも、ハルさんが一人で泣くことがないようにしてあげたいです。泣きたい時はそばにいたいし、嬉しい時は話を聞きたいです」
「ホソクくん、」
だけどホソクくんと出会って、私は一人じゃないんだって気付けた。
なんでも気負いすぎなくていいんだって、頑張りすぎなくていいんだって、たまには誰かに寄りかかってもいいんだって。
そう思えるようになったのはホソクくんのいてくれたからだった。
HS「俺が幸せにします」
この人となら、私幸せになってもいいのかなって。
誰かと一緒に幸せになる未来に足を踏み出してもいいのかなって、そう思った。
風がふわりと髪を撫でる。
空気は冷たいのに、その風は不思議と暖かく感じた。
大丈夫だよって、ジンくんに背中を押されているみたい。
「…私も、ホソクくんが好き。ホソクくんと一緒にいたい…っ」
最後の方は声が震えて、上手く言えなかった。
Aさん、とホソクくんが言って、その声に顔を上げると返事をする間も無く腕を引っ張られてそのまま抱きしめられる。
一瞬驚いて目を見開いて固まってしまうけれど、ぎゅっと優しく包み込まれるその温もりが嬉しくて。
目を閉じると涙が頬を伝って、ホソクくんの肩を濡らした。
HS「…嘘じゃ、ないですよね？」
耳元で囁かれる声は少し震えていて、嘘なわけないのに、と心の中で思いながら何度もこくこくと頷いた。
自分勝手にホソクくんを突き放したのに、ずっと好きでいてくれて、こうしてまたそれを伝えてくれて。
不安にさせてしまうのは仕方ないのかもしれない。でも、心配しないで。
そう伝わるように、私もホソクくんのジャケットをきゅっと掴んだ。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1128人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ひなぴ〜 - このお話ものすごくキュンキュンするぅ！これからもガンバってください！ 応援してます！！ (2019年9月28日 22時) (
レス) id: 26489886b1 (このIDを非表示/違反報告)
haru(プロフ) - nanatyn27さん» お返事遅くなりすみません！！せっかくフォローして頂いたのに、何も更新していなくてごめんなさい（ ; ; ）フォローありがとうございます（ ; ; ） (2019年9月26日 13時) (レス) id: 88b5764800 (このIDを非表示/違反報告)
nanatyn27(プロフ) - 超今さらなんですが、このお話が急にすごく読みたくなったのでツイッターフォローさせていただきたいので許可お願い致します泣 @___tae178cm です！ (2019年9月22日 14時) (レス) id: 9661676326 (このIDを非表示/違反報告)
haru(プロフ) - 凛音さん» 全てが温かい凛音さまのコメント…ありがとうございます（ ; ; ）そういえば私、自分で書いときながら結婚まで2年くらい間があったことすっかり忘れてました（笑）貴重なご意見ありがとうございます(*^^*) (2019年7月26日 22時) (レス) id: 88b5764800 (このIDを非表示/違反報告)
haru(プロフ) - はおぺんさん» わあもったいないお言葉です……ありがとうございます（ ; ; ）私も3歳児テテお気に入りです（笑） (2019年7月26日 22時) (レス) id: 88b5764800 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：haru
| 作成日時：2019年3月12日 20時
