1 ページ1
.
……あ、今日もいる。
仕事終わり、乗り込んだいつもと同じバスで、今日もその人が一番に目に入る。
……いや、目に入るってより、無意識に探してるんだけど。
俺が乗る頃にはいつもバスの中は座れないくらい人が多いんだけど、その人も立っているところを見ると割と俺と近いところから乗ってるのかもしれない。
「わっ…すみません、」
HS「あ、いえ…」
信号停車したバスが動き出す瞬間、とんっと背中に軽い衝撃。
僅かに耳に届いたおそらく俺に対するであろう彼女の謝罪の言葉を、そっけない返事で流してしまった自分に溜息が漏れた。
いつだったか珍しく乗客が少なくて、俺も椅子に座れた時があって。
ラッキー、なんて思ってイヤホンで音楽を聴きながらスマホをいじっていた。
バス停に停まって、ふと顔を上げた時、椅子に座っていた彼女が立ち上がって乗ってきたおばあさんに席を譲っているのを見て、はっとして自分がなんだかすごく恥ずかしくなった。
と同時に、その人がすごく綺麗だと思った。
いやもちろん見た目も綺麗なんだけど、そういうことが自然と出来る綺麗な心を持った人だな、って。
だって困ってる人を見ても、そこから声かけるのって意外と結構勇気がいることじゃない？
だって中には年寄り扱いするな！て言う人もいるし。
それでも迷わず席どうぞ、って言える彼女みたいな人が、俺の目には眩しく見えた。
それから5時台のバスに乗ると彼女を見かけて、彼女も仕事帰りなんだろうな、と察しがついた。
といっても5時台のバスなんか定時ぴったりに上がれた時くらいしか俺は乗れないんだけど。
今日はあの人いるかな、なんて考えながらバスを待つようになって。
気付いたら目で追っていて、あえて彼女の近くに立ってみたりもして。
名前も知らないその人に、淡い気持ちを抱いていることに気付くのはそう時間はかからなかった。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 785人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
haru(プロフ) - すーさん» そうなのですね(;o;)わたしはまだ独身のぺーぺーなのですが…そう言って頂けて嬉しいです。わたしもホソクくんめちゃくちゃ欲しいです！！笑 (2020年8月11日 9時) (
レス) id: 88b5764800 (このIDを非表示/違反報告)
haru(プロフ) - 理緒さん» わーーすみませんコメントに気付いていなくてお返事が大変遅くなりました（ ; ; ）愛されるテテちゃんを意識して書いたのでそう言って頂けると嬉しいです(*^◯^*) (2020年8月11日 9時) (レス) id: 88b5764800 (このIDを非表示/違反報告)
すー(プロフ) - 私も一人親で、子供が寂しくないよいようにと、仮面ライダーショーとか、戦隊ショーに何度か連れて行ったの思い出して、思わず感情移入(ToT)あ〜私もホソクくん欲しかったぁ(笑) (2020年8月11日 2時) (レス) id: 794e25742d (このIDを非表示/違反報告)
理緒(プロフ) - テテが可愛すぎます！また作品楽しみにしていますね！ (2020年5月31日 15時) (レス) id: 6939d6db70 (このIDを非表示/違反報告)
haru(プロフ) - かおすさん» そんな！恐縮です（ ; ; ）ありがとうございます！頑張ります（ ; ; ） (2019年2月24日 23時) (レス) id: 88b5764800 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：haru
| 作成日時：2019年2月13日 20時
