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翌日、チャイムが鳴って5秒ほどで風並が教室に来た。
「千冬、例の子が来てんぞー？」
クラスメイトがニヤニヤしながら言ってくる。
「ニヤニヤしてんじゃねーよ」
弁当を持って教室を出ると、風並がにっこにこしていた。
『松野せーんぱい！行きましょ！！』
スタスタと中庭に向かう風並。
早すぎてもう見失いそうだ。
…自分から誘っといて置いていくのかよ！？
仕方なく小走りで風並に追いつく。
そして、2人で手を合わせて飯を食べ始める。
卵焼きを食べようとしたところで、すごく視線を感じた。
恐る恐る前を向くと、風並と目が合った。
「なんだよ？」
『…はっ！いや、あ、すみません…』
自分が見てたくせに、俺が風並を見ると照れて謝ってくる。
『松野先輩』
「ん？」
箸を口に運びながら耳を傾ける。
『なんでそんなにイケメンなんですかぁ…』
「は？」
イケメンだなんて初めて言われたから、どう反応したらいいのか分からない。
「なんだよ急に」
不本意ながら、少し顔が熱い。
『松野先輩照れてます？』
「うっせー、お前の唐揚げ貰うぞ」
俺が指さした先を素直に見る風並。
伏せていた顔を少し上げて前をチラリと見てみた。
風並は少し顔を赤くして、唐揚げを見つめていた。
風並の弁当の中には、風並が一度かじりついて半分しか残っていない唐揚げが入っていた。
◯
放課後、場地さんの教室へ場地さんを迎えに行く。
風並は陸上部らしく、放課後は部活の練習に参加している。
「場地さん！」
「おう千冬ぅ、昨日言ってた一年はどうだったんだ？」
昨日俺が少し話しただけなのに(めっちゃ話した)気にかけてくれるなんて、やっぱ場地さんカッケェ！
「全然普通だったっス！」
「馬鹿な告り方してんのに普通だったのか？」
「はい！」
場地さんの隣に並んで学校を出る。
「今日の夜は集会あンだから遅れんなよ」
「はい！」
東卍の話などをしていると、あっという間に団地に着いた。
俺は場地さんと別れ、家に帰る。
「千冬、帰ってきてたの。おつかい行ってきてくれる？」
ホントはめんどくせえけど、ここで断ったら後が怖いから素直に買い物リストを受け取る。
「じゃお願いねー」
「ほーい」
帰ってきてすぐだけど、俺はまた家を出た。
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作者名：kabi | 作成日時：2021年12月27日 12時
