闇と深淵【ブラクロ】 (ページ7)

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【1-5】彼女の魔導書ページ7

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禍々しい渦のような物が彼女の周りを纏う

｢な、なんだ？！何が起こってる！？｣

｢魔導書塔にいた頃からあなた達は私たちを見ていた、その時から予想はしてた。襲うつもりなんだろうとね｣

Aが指を鳴らすと4つの絵画が張っているような魔導書を手に持つ

｢な、何で魔導書を！？｣

｢魔導書塔の中には無かった、それだけよ。
それにあなた達に私の魔法を使うなんて勿体ない｣

Aは魔導書を閉じると男達の背後に音もなく一瞬で回る

｢おやすみ｣

ドスッとかなり重い手刀を入れ、バタバタと倒れる

ヤミは術者が倒れたことにより罠から抜けだせたが、Aのあまりの強さにポカンとしている

｢……｣

｢ほら、ボケっとしてないでよスケヒロ｣

｢…いや、お前、強くね？｣

｢魔導書を使ったらもっと強いわよ｣

｢ほぇー…｣

｢帰ろう｣

柔らかい笑みを浮かべ、背景に夕陽を背負う彼女は幻想的で、その中で彼女の魔導書だけが不釣り合いだった

差し伸べられた手をヤミは掴み、空いた手は照れくささを隠すためか頭をかいた

クローバーも無い、4つの絵画の魔導書が密かに見守っていた

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魔導書を手にしてから幾年か過ぎた頃、二人の関係は進展していた

｢あーねみい｣

｢デカい欠伸ですこと｣

すりすりとヤミは眠気を誘うようにAの腹部に顔を埋める

そんなヤミをAは頭を撫でながら膝枕していた

そう、2人は恋人同士になっていた

出会って3年、同居という言い方から同棲になった

Aの容姿はすこぶる美しい、に対してヤミは野蛮人といった感じだ

まさに、美女と野獣

だが、2人は見た目で好きになったわけではなかった

出会った当初から、見ず知らずのヤミを助け、衣食住を提供してくれたA、その美しさもさることながら、性格も全てに惚れたヤミ

自分と同じ国出身でありながら、堂々とした立ち振る舞い
少し(いやだいぶ)適当なところもあるが、優しさと強さを兼ね備えている

そんなAもヤミの全てに惚れた

2人はお互いに協力し合い、生活していた
お金などに困ることもそんなになかった

そしてヤミとAに転機が訪れた

次期魔法帝であるユリウスと出会ったことにより

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